10年ぐらいの間に使う目的が決まっている資金、老後資金などは、リターンは低いくても、お金が安全に守られる金融商品を選びます。銀行預金、債券、保険がおすすめです。
■備える流動性が目的のお金なら現金、預貯金
失業やケガ・病気など、いざというときの生活資金、予備資金の場合は、現金で持っておくか、いつでも引き出せる銀行預金を選ぶのがいいでしょう。2~3カ月分の生活費は、確保しておくほうが安心です。病気や失業など、万が一のときのために必要な視点です。
■収益性・安全性・流動性のすべてがすぐれた商品はない
大事なお金を投資するのだから、安全で収益性も高い、少しでもメリットの大きい金融商品を選びたいもの。とはいえ、3つすべてを備えた商品は残念ながらありません。投資できるお金の額やライフスタイル、ライフプランも考えながら、それぞれをバランスよく組み合わせていくのがよさそうです。
金融商品によっては、お金を預ける期間に応じたメリット・デメリットもあります。預金のように、長く預けるほど利息が増えていくものもあれば、株式のように、瞬発的に売ったり買ったりすることで、損得が生じるものもあります。運用の上では、長期で増やせばいいお金なのか、短期で増やしたいお金なのか、という視点も大切です。
■まずは自分のリスク許容度を知ることが大切
くわえて自分の「リスク許容度」を知りましょう。リスク許容度とは、投資する上でどの程度のリスクなら耐えられるか、ということ。運用に回せる余剰資金のうち、いくらまでなら損失してもよいと考えられるでしょうか。
資金に余裕があるほど、また年齢が若いほどリスク許容度も高くなる傾向がありますが、自身の性格も関係します。株価が下がるたびに食事がのどを通らなくなるようなら、あまりリスクの高い(収益性の高い)商品に大きなお金を投資しない方が無難です。
「〇年後の収入や貯蓄」など、現在のお金の管理とライフプランを組み合わせて長期的な視点で考えながら、どの目的のどの商品に回すかを組み立てていきましょう。
(構成 生活・文化編集部 上原千穂)