(写真はイメージ/GettyImages)
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 「貯蓄から投資へ」と言われるようになって久しいが、いったい何から始めればいいのかわからず、投資に二の足を踏む人は少なくない。少しでも興味があるなら、金融商品を買う前に、銀行預金と投資の違いを理解しておくべきだ。子どもの環境・経済教育研究室代表・泉美智子さん著、ファイナンシャルプランナー奥村彰太郎さん監修の『今さら聞けない投資の超基本』(朝日新聞出版刊)から、初心者向けの金融知識を紹介したい。

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  預けたお金を働かせて利益を生むという仕組みは、銀行も証券会社も変わりません。でも、以下のように、いくつかの違いがあります。

  まず、自分でお金の投資先を選べるかどうか。投資先が選べない銀行に対して、証券会社は、見込みがあると考えた企業や、応援したい企業のためにお金を役立てることができます。

  現金化のしやすさも違います。銀行預金なら、いつでも引き出すことができます。定期預金など、いったん預けたら一定期間引き出せなくなってしまう商品もありますが、解約すれば、預けたお金は戻ってきます。

  一方、証券会社で株式などの証券を買った場合、お金を取り戻したいと思ったら、株式を売ってお金に換えます。

■銀行預金は元本保証されているが投資は元本割れのリスクあり

  投資の場合、株式の価値が買ったときより下がっていて、出資した金額より少なくなってしまうこともあります。これも、預金と投資の大きな違い。

  また、銀行の場合、破綻してしまっても1000万円までは保証するという公的な仕組みがありますが、証券の場合は、投資した会社破綻したら元本は戻ってきません。

  このように出資金が目減りするリスクも、投資者が引き受けることになります。その代わり、投資した会社の株式が出資時より上がったときの差額の利益は投資者のものとなります。

■お金を運用している点では銀行も投資も同じ

  私たちのお金を預かり、安全に保管してくれる銀行ですが、すべてのお金が金庫の中に置いてあるわけではありません。銀行は預かったお金の一部を引き出しに備えて保管し、大部分は企業や個人に貸し出します。

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銀行は貸し出しで得た利益の一部を預けた人に金利として還元