では、「原因」はどの点だったのか。
「節減された費用について、きちんと説明しようとすることが無理なのです。費用対効果を算出しようと思えば、建設コストと使用年数を比較する必要がある。しかし、それでは佳子さまがいつご結婚すると公表するも同然です。仮に使う期間があと2年としたならば、すでに交際するお相手も存在し、内々に結婚話が進んでいる、というような臆測を招くことになりかねません」
そのような懸念があることも含めて、「節減費用を公表することは、ご結婚の時期にも絡むため公表できない」とはっきりと言葉にすれば、「ここまで世間や報道も批判できなかったはず」と八幡教授はみる。
では、着地点はどこにあるのか。
八幡教授は、秋篠宮家に限らず、皇族もときには自身の言葉で説明することが求められる時代になったと話す。
「もし、佳子さまがご自分の行動や信念に自信をお持ちでいらっしゃるならば、旧御仮寓所に部屋を持つことになった理由を佳子さま自身の言葉で国民に説明するのです。小室眞子さんもそうでしたが、記者と質疑応答する必要はありません。いまのように大夫を通じた伝言ゲームを続けていれば、誤解やねじれが生じて当然です」
海外王室のロイヤルメンバーも、問題が発生した際は自身でメッセージを発信して事態を収拾する時代だ。日本の皇族も、ご自身が問題解決を図る能力を身につける必要がある、と八幡教授は指摘する。
かつての東宮家と東宮職のように、独立性とともに周囲や世間への影響力を持つ存在となった皇嗣家と皇嗣職。同時に、騒動を収めるだけの力量も期待されている。秋篠宮ご夫妻と佳子さまは、解決のためにどのような行動に出るのか。国民は見守っている。
(AERA dot.編集部・永井貴子)