■築60年の乳人官舎で始まった

 秋篠宮邸はもともと、旧秩父宮邸を受け継いだもの。築50年の建物は増改築される前、老朽化が進んでいた。眞子さん佳子さま悠仁さまが成長し、住居部分が手狭になってきたため、見かねた宮内庁が秋篠宮さまに増築を打診されたという。

 しかし、秋篠宮さまは、

「やめておきましょう」

 と断ったのだという。

 そもそも1990年に結婚された秋篠宮ご夫妻の新居は、驚くほど質素だった。

 昭和の初めに「乳人(めのと)官舎」として建てられた元職員宿舎で、当時で築60年近い木造の平屋だった。総床面積は100平方メートル余りで、直前に新築された高円宮邸(770平方メートル)と比べても、極端に小さかった。

 その後、91年に眞子さんが生まれ、10畳と6畳相当の洋間2部屋を増築。2000年には、旧秩父宮邸につなげる形で鉄筋コンクリート造り2階建て(8室、総床面積472平方メートル)の増築部分が完成し、公的なスペースとして97年から使っていた旧秩父宮邸を含めて総床面積は1417平方メートルに広がった。

 過去の経緯を振り返ると、むしろつましい生活を送ってきたことがうかがえる。

■私生活は伏せられて当然?

 秋篠宮家は、皇室の公務の主軸を担い、多忙な日程をこなしている。しかし、誤解を受けやすい面もある。今回の件でも、「私的な事柄」を理由に、佳子さまの「ひとり暮らし」についての経緯や詳細を公表せず、経費の節減額すら明らかにしないことが摩擦を生んでしまった。

 一方で先の関係者は、こう話す。

「プライベート部分を明らかにしないのは、天皇家や他の宮家も同じです。他の皇室メンバーの私的な暮らしぶりや、どの部屋にお住まいなのかといった事柄は当然、伏せられています。すべてを、つまびらかにすべきだと声をあげる人はいないでしょう」

 では、この「ひとり暮らし」問題を解決する糸口は、どこにあるのか。江森さんは、新設された宮内庁広報室がカギになると見ている。

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