
宮内庁は、秋篠宮邸の増改築工事に伴い、当時結婚の話が持ち上がっていた長女・小室眞子さんや佳子さまの部屋を造るより、分室でそのまま暮らすほうが経費を削減できると説明していた。しかし、その経費の節減額については、「具体的な数字は、お示しできるものを持っていない」(宮内庁)というものだった。
皇室制度にも詳しい八幡和郎・徳島文理大教授は、宮内庁には別の説明の仕方があったのでは、と分析する。
「具体的な節減額は皇室を離れられる時期によって大きく変わってくるわけだから、数字として示すことは適切でない、と言えばよい話です」
ご結婚により皇室から離れることが明白な女性皇族のケースでは、批判される可能性が高い、と八幡さんはみる。
「特に、ご結婚が延期になっていた眞子さんの場合、私室を造れば『無駄なものを造った』と非難されかねませんでした」
ただし、佳子さまの場合は、気になる点もあるという。
「秋篠宮家の長男の悠仁さまは、将来の天皇となるとみられる皇族。秋篠宮ご夫妻としては、いま皇室に残る佳子さまには、悠仁さまを支えてほしいとお考えだと思います」
21年末に政府の有識者会議は、皇室が直面する「皇族数の確保」と「皇位継承策」という二つの課題に対する最終報告書を、岸田文雄首相に渡した。そこで注目されたのが、「女性皇族が結婚後も皇族の身分を持つ」という案だった。
実際、秋篠宮家の事情に詳しい人物はこう話していた。
「佳子さまは、早く皇室を出て民間の世界で生きていきたいというお考えを、学生のころから持っておられたようです。皇室を出る手段のひとつが結婚であるのでしょう」
■女性皇族の独立へつながるか
皇室を出たいという思いをお持ちの佳子さま。一方で、秋篠宮家としては、身内で悠仁さまを支えてほしいという思いを持つといわれている。
その意味で、「結婚後も皇族の身分を持つ」という提案は、佳子さまが皇室を出ることを望んでいたとしても、秋篠宮家の事情にも斟酌できる案といえる。