インフルエンザや胃腸炎などの流行にようやく終わりが見えてきたかなと思ったら、次は花粉症にも悩まされる季節が到来!
この時季、帰宅後の「うがい」と「手洗い」はもちろん、マスクを手放せない人も多いのではないでしょうか。
でも、うがい、手洗い、マスクは、日本だけの独特の習慣であることをご存じですか? 実はこの3つ、「効果がない」という説がある一方、方法を間違っている人が多いというデータもあるんです。本当のところはどうなのでしょうか。

うがい、手洗い、マスクは、日本だけの独特の習慣であるって知っていましたか?
うがい、手洗い、マスクは、日本だけの独特の習慣であるって知っていましたか?
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うがいとマスクでウィルス侵入は防げない⁉

感染症予防の3大対策ともいえる「うがい・手洗い・マスク」ですが、これは外国人から見るとかなり珍しい行動様式のよう。
「いったん喉まで入れた水を吐き出すなんて信じられない!」(うがいを目にした、ある外国人の感想)
「日本では危険な病気でもはやっているの?」(花粉症の季節に日本人の多くがマスクを着用する様子を見た、ある外国人の感想)
……といった、驚きの声も多く聞かれます。
古くから定着している「うがい」ですが、近年の研究で体内へのウィルス侵入防止には科学的な効果がないことが明らかになっていて、政府広報のインフルエンザ対策でも、すでに「うがい」は挙げられていません。
また、ウィルスの粒子はとても小さいため、一般的なマスクはウィルスを含んだ咳やくしゃみなどの飛沫と、花粉やハウスダストなど粒子の大きいもの以外には効果なし。このことは、よく見ると市販品のパッケージにも明記されているはずです。中にはウィルスの侵入を防ぐマスクも存在はしますが、高価なので日常的に使うにはちょっと厳しいかもしれません。
どちらも長年習慣にしている人にとってはショッキングな話ですが、「うがい」「マスク」も、世界トップレベルの“きれい好き”の日本人ならではの習慣なのかもしれませんね。

むしろ気をつけたいのは「接触感染」

まず「マスク」ですが、鼻と口をマスクで覆うことによって粒子の大きいものの侵入を防ぐことができますし、風邪やインフルエンザにかかってしまった場合、他人への感染を防ぐ効果があります。さらに、粘膜をしっとりさせることで鼻やのどのトラブルを軽減したり、乾燥を好むウィルスの力を弱めるといったメリットも。
次に「うがい」ですが、口の中やのどを水でゆすぐことで、炎症を起こして熱を持った粘膜をクールダウンしたり、ウィルス以外の細菌や汚れを一掃するという効果があります。
ただし、むしろ気をつけたいのは「接触感染」。
接触感染とは、感染者がくしゃみや咳を抑えた手から広がっていく感染です。具体的にいうと、感染者の手が触れたドアノブやつり革、スイッチなどを通して、ウィルス、細菌が別の人の手から口や鼻の粘膜へ……という流れが、感染経路の一例。手洗いは、こうした感染を防ぐための有効な手立てとなっているのです。

世界に誇れる日本の「手洗い」

前述した「接触感染」防止に効果があるのが「手洗い」ですが、これもうがいやマスクと同じく日本的な習慣とされていますが、正しいやり方で行えば、ウィルス、細菌感染を防ぐ方法としてとても有効です。とはいえ、神経質に洗いすぎることで、本来ヒトが保有すべき菌まで殺してしまうのは考えものですが、正しい方法はぜひ覚えておきたいもの。
手洗いのポイント
●洗うタイミング……トイレのあと・調理の前・食事の前・帰宅時
●鉄則……せっけんを使う・20秒くらいかける・清潔なタオルでふく
●洗い方……せっけんを泡立て、みぞやくぼみがある部位、ものに触れる指先などに気をつけながら、「手のひら・甲・親指のまわり・指の間・つめ・手首まわり」の6カ所をしっかりと洗い、水でしっかり洗い流す
ちなみに、開発途上国では正しい手洗いで100万人の子どもたちの命を感染症から守ることができるともいわれ、日本ユニセフが中心となって世界に手洗いを広める動きもあるそうです。

感染を防ぐと同時に、免疫力を高めよう!

感染を防ぐ方法をお伝えしてきましたが、ウィルスが体内に入っても全員が発症するわけではありません。まずは、感染を防ぐと同時に、免疫力を高めることがとても大切です。
免疫力を高めるためには、規則正しい食事や睡眠はもちろん、ストレスをため込まないよう、適度に気分転換や日常に運動を取り入れるよう心がけましょう。
そうはいっても「忙しくて無理!」という人は、まずは短時間でも質のよい睡眠をとることから始めてみては? 数十分、あるいは数時間の睡眠でもずいぶんカラダが軽くなった感じを実感できるはず。
せっかく春がやってきたのですから、明るい日射しをエネルギーに、不調知らずの元気あふれる日々を過ごしてくださいね。