そもそも「自己責任」とは、金融業界を中心に使われていた言葉。「投資をした際に、自分の判断で取引をした場合は、予期せぬリスクも自らで負担しなければならない」といった意味で、人に対して使う現在の用途とはまったく違うものでした。

  しかし自己責任は、徐々に意味を変えていき、本人の努力が及ばなかったこと、他人の手を煩わせることなどに対しても、批判的な意味で使われるようになりました。新型コロナウイルスが流行した際も「感染するのは自己責任」という風潮が広まったことからも、日本人は他人に責任を負わせたい人が多いことがわかります。

  自己責任だと言われると、自分が悪くなくても、つい「自分の努力が足りなかったのでは」と思ってしまいますが、自分を責める必要はまったくありません。言葉を重く受け止めず、その人たちは、他人を責めることでストレスを解消しているのだと、客観的に見るのがよいでしょう。

(構成 生活・文化編集部 端 香里)