※写真はイメージです(Getty Images)
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 教員の年齢構成から分かるように、学習指導でも生活指導でも、ノウハウを熟知したベテランが減っている。かつ、成り手不足も教育の質の低下につながっている。教育改革実践家の藤原和博氏は「『先生になりたい』という小学生は多く、中学でも塾の先生は人気の職業。なのに、学校がウソくさいことに気づいてしまうため、職業選択過程で優先されない」と指摘する。教員の質が下がる構造を改める方法を、藤原氏は新著『学校がウソくさい 新時代の教育改造ルール』(朝日新書)で述べている。一部を抜粋、再編集し、紹介する。

【図版】教員の採用倍率の変化はこちら

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 ベテランの教員が辞めていく一方で、新卒採用者が増え、教育現場が若返るのは一見、良いことのように見える。もちろん、小学校などでは一緒に走り回って遊んでくれる若手の教員は人気がある。エネルギーレベルが高いから、参観日に行っても教室全体に活発なムードが漂っているかもしれない。

 しかしその一方で静かに進行しているのは、応募採用倍率の低下による質の低下なのだ。

 人気職種に優秀な人材が集まり、不人気な職種のレベルが次第に落ちていくのは、いつの世も変わらない。

 一時期、小学校教員であれば12~13倍あったものが、今や東京都では2倍程度になってしまった。要するに、目の前に2人の応募者がいたら、どちらかを採用しなければいけないのだ。リクルート出身者として私企業の常識を言えば、応募採用倍率が7倍を切ったら、質が低下するとされていた。10人採用するなら70人、100人採用するなら700人、東京都のように2000~4000人規模の採用をするなら2万人近い応募者が必要だということだ(実際には応募者7911人、受験倍率2.1倍で、5年前より半減している/東京都教育委員会の発表資料より)。

 教員という職業に人気があればいいのだが、この10年でその大変さがことごとく周知され、不人気の職種になってしまった。

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「先生になりたい」小学生は多いのだが