歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が「一家心中」を図ったとみられる事件で、父親の市川段四郎さん(享年76)と母親の延子さん(享年75)が亡くなってから約3週間がたった。司法解剖の結果、両親の死因は向精神薬中毒死の疑いとされたが、いまだ多くの謎が残されている。そのひとつが、猿之助が書いたと思われる「遺書」に記されていたという運転手兼マネジャーの俳優・A氏の存在。猿之助とA氏は「恋人関係にあった」と報じるメディアもあるが、真相はどうなのか。A氏の両親を直撃した。
【写真】猿之助と行きつけの居酒屋に通う“因縁”の人気俳優はこの人
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「週刊文春」(6月8日号)は、A氏を知る歌舞伎関係者の話として、A氏と猿之助について「(2人が)恋人関係にあることは周知の事実です」と報じた。同誌によると、猿之助はA氏に2通の「遺書」を残したとされ、そこには<愛するA 大好き 次の世で会おうね>などと書かれていたという。だが、記事ではA氏には女性の恋人がいたという状況証拠を示したりしながら、A氏の人柄について特集した。最後はA氏本人にも直撃しているが、記者の質問に対して、A氏が「違います。タカハシです」と他人を装ったり、「おしゃべりするんだったら、ギャラを100万くらいいただけますか?」など金銭を要求してきたやりとりを詳報している。
はたして、A氏とはどのような人物なのか。AERA dot.はA氏を最もよく知るであろう両親のもとを訪ねた。
最寄り駅からバスに10分くらい乗ると、宅地開発によって造成された住宅街に着く。そのバス停から5分ほど歩くと、A氏の実家がある。庭の盆栽の緑が鮮やかな一軒家で、手入れがよく行き届いていた。
近所の主婦はこう話す。
「Aさんのお父さんは、若い頃にテレビの青春ドラマで活躍した有名な俳優さんです。ご両親はここに住んで40年近くになるかな。Aさんは6人きょうだいで育ち、みなさんもう家を出ていらっしゃると思います。現在はご夫妻だけで住まわれているようです。時々、散歩をしているのをお見かけしますよ」
Aさんは次男として、この家で育った。自身のブログでは6人きょうだいであることを明かし、6人のうち5人が男で、妹が1人いるとつづっていた。また、両親と久しぶりに回転寿司に行ったことなども楽しそうに書いている。