実は6月の急激な気圧変化は意外と多くない。そのため、今の時期は寒暖差により注意を払う必要があり、たかが寒暖差、と甘く見ないことが肝心だ。

「雨で体や衣服がぬれたらきちんと拭く、肌寒さを感じたらもう一枚羽織るなど、身近な対策が肝心です。このほか、耳元や首まわりには自律神経を整えるツボが集中しているので、定期的にほぐすとよいでしょう」と渡邊医師は話す。

■エルニーニョ現象で梅雨は長引く?

 さらに2023年の夏は、エルニーニョ現象が発生すると予測されている。エルニーニョ現象が夏にかけて続くと、日本付近では太平洋高気圧の張り出しが弱く、梅雨前線の北上が遅れる見込みに。梅雨が長引くと、これまで特に気象病の症状を感じたことのなかった人も不調に悩まされる可能性がある。

「梅雨時期の低気圧による圧力の差は、すべての人間や動物、植物が感じるものですが、不調が出やすい人とそうでない人には個人差があります。気象病には雨が降ったときだけなどに一時的に体調が悪くなる『一過性パターン』、もともと持病のある人の症状がより強く出る『悪化パターン』、何かのきっかけで状態が悪くなり、その後も継続する『発症パターン』の3種類があります。40歳以降で急に発症する可能性もあるので、注意が必要です」


 特にコロナ禍で運動不足に陥っている人、食事が偏っている人、ストレスを抱えている人は不調を感じやすい。近ごろ体調が優れないと感じたら、気象病を疑ってみてもよいかもしれない。

(文/酒井理恵)

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