今年2月、人気アニメ「プリキュアシリーズ」の20作目「ひろがるスカイ!プリキュア」が始まり、レギュラーとしては初となる「男子プリキュア」“キュアウィング”が登場した。ネット上では応援の声、「なぜプリキュアに男子が?」といった声など、さまざまな反響がある。キュアウィングの声を務める声優・村瀬歩さんに、「男子プリキュア」をどう捉えているのか、話を聞いた。
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――村瀬さんがキュアウィングの役を引き受けた経緯は?
オーディションのお話をいただいたんです。1次が音声を送るテープ選考、2次はスタジオで行う審査でした。2次のときに、監督やスタッフさんが熱心に世界観を説明してくれて、面白いものが出来上がると確信したんです。このときにキュアウィング像も初めて目にしました。スタジオには女性の声優さんの姿もあって当然の高倍率でしたが、この役は絶対にやりたいと思いました。どう演じたらよいか聞いてみたら、「1次のテープの感じで大丈夫です」と言われ、キュアウィングの声は、そこから大きく変わっていません。オーディションを受けてもはしにも棒にもかからないこともあるなか、今回、この声でいこうという直感が作り手の直感とはまった、とてもうれしいご縁だと感じています。
――初レギュラーとしての「男子プリキュア」をどう捉えていますか。
実は、男の子プリキュアとしては、「HUGっと!プリキュア」(2018年2月~19年1月放送)で「キュアアンフィニ」が登場しています。当時ニュースサイトでもすごく話題になったこともあり、ミーハー心で失礼ではあるのですが、自分がやりたかったと悔しい思いをしたんです。
今回はプリキュアシリーズ20作目、誰もがヒーローになれるというメッセージ性は一貫して変わらず、男子プリキュアを登場させるという革新的なチャレンジが素晴らしいと感じました。
――注目の役、どう演じていますか。
プレッシャーはないです。役に向き合う自分のやり方は変わらない。いつも通り、台本を読み込んで、アフレコで精いっぱいやるだけです。ただ、プリキュアシリーズの歴史のすごさは感じています。かつて「Go!プリンセスプリキュア」(15年2月~16年1月放送)の47話で、王子役として出演したことがありますが、今回は、プリキュアの一人として誇りをもって戦う役。物語への関わりの深度が前回とは違うので、また新たな思いで臨んでいます。いつもアフレコ時に次の回の台本をもらうのですが、休み時間になるとキャスト陣みんなで集まって、台本を読みながらストーリー展開についてワイワイ盛り上がるんです。楽しい時間ですね。