向井 [しばらく感無量という表情で立ち尽くしていたが、マイクを外して地声で]東京―!!! [マイクを戻し]キャーッて言って! [会場のキャー!に] キャーッって言って!! [会場のキャー!!に今度は自分が]キャーッ!!! これからもよろしく、ありがとう![宮舘「シンプルイズベスト」。渡辺「シンプルいいね」]
岩本 みなさん、本日は本当にありがとうございました。楽しかったですか? [会場の歓声にさらに]楽しかったですかー? [大歓声に]本当にありがとうございます。僕たちもね、楽しかったです。ここでデビュー発表させていただいて、こんなにも自分たちのファンで、埋め尽くすことができる日がついに来たのかと思うと、いろいろありがたいなと、より思います。時代がね、すごいスピードで動いているなか、次いつこうやって直接ありがとうって言える日が来るかわからないから、その瞬間をこれからも大事に、これだけSnow Manには大切な人たちがいるんだと思って、みんなで一歩一歩進んでいきたいなというふうに思います。本日は素敵な思い出を共にありがとうございました。楽しみすぎて色の汗出てきました[吹き出す汗に、髪を染めているカラーが滲む]。ありがとうございます。
そして、アンコールも終えてのコンサートのラスト。深澤が会場を見渡した。「みなさん改めまして、今日は楽しかったですかー? 最高の思い出になりましたかー? みんなのナイスな声、もっと聞きてぇな。岩本さん!」と振られた岩本が、「俺たちとみんながー」と呼びかける。会場にはメンバー9人とファン5万5000人の「Snow Man!」の声が重なり、響き渡った。「俺たちが」と叫ぶのが通例ともいえるこの最後のコールに、ファンの「みんな」を入れたことにも、Snow Manらしさがあふれていた。
「Snow Man!」コールとともにアリーナを中心に降り注いだ、ツアー名の入った銀テープにも、さらなるエピソードがある。佐久間は「銀テープとか、余ってたら、あげてくださーい。わけあってください」と声をかけ、ファンからファンへと手渡しするあたたかな姿が各所で繰り広げられる。そんな様子を見ながら、「銀テープの出前始めようかな?」と冗談のように言ってステージを降りたラウール。この言葉も、実行された。アリーナ席の通路に落ちたテープをコンサートスタッフが拾い集め、手にできなかったスタンド席のファンに配り歩く――どこまでも、ファンのことを思い、寄り添い、感謝する。そんな愛に満ちたライブだった。
AERA 2023年6月26日号には、本記事とは異なる、この公演の30点以上の写真とライブレポートが掲載されている。
(編集部・伏見美雪)
※AERAオンライン限定記事