もう終わってしまいましたが、ずっと「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングに出たかったんですよ。僕、ミーハーだから、旬な人が出るような番組に出たくて(笑)。タモリさんの横に座っている自分を想像してましたね。それと笑福亭鶴瓶さんがMCを務める「A-Studio+」。こちらは21年12月に念願叶って出演させていただきましたが、よく家でひとりで「今夜のゲストは松下洸平さんです」と言ってくれている場面を妄想してました。
もうひとつは「アナザースカイ」ですね。「ここが僕のアナザースカイ」と言うシーンをすでに何回も練習してますよ(笑)。トーンを変えながら、この言い方がいいかな、いや違うな、とか。僕のアナザースカイはどこか? それは、いつか番組に呼んでいただけるかもしれないから、まだ内緒です(笑)。
■生身の自分に近い言葉
――一昨年は「松下洸平」としてCDデビュー。全国ツアーも回った。
松下:お芝居の道に進んでからも、ずっと曲は書いてました。でも、書いても書いてもリリースできるわけはなくて。年に1回、ファンとの交流イベントで歌う機会があって、その時にお披露目するだけ。リリースできなくても形に残しておきたくて、自分でスタジオを借りて、自分でカメラを回し、家で編集して、YouTubeにアップしていました。今は発表できる場があることに感謝しています。
音楽をやっている僕は、自分の言葉を紡いでいる分、より生身の自分に近いんです。だから、自分勝手にならないよう、線を引いて、聴き手のことを考えながら曲づくりをしています。昨年末のライブでは、専門学校時代の信頼できる仲間と一緒にステージに立つことができ、ファンの存在を近くで感じることもできました。自分がどれだけたくさんの人に支えられて生きているかがよくわかりました。
歌手として再始動してまだ2年。俳優として芽生えたちょっとばかりの自信が、まだ音楽をやっている自分には備わっていないので、今後はそこを養っていきたいなと思っています。
――幼い頃から、興味のあることにはとことん没頭するタイプだった。「歌手」という夢を見つけた時には、自信に加えて、迷いもあったという。
松下:歌手になろうと思ったのは、高校生の時です。美術科に通っていましたが、当初は進路が明確に決まっていませんでした。幼い頃から楽しいと思うことにしか目を向けないタイプで、中学から始めたダンスに引き続き没頭したり、友だちと遊んだり。心のどこかで自分の将来を探していた時、映画「天使にラブ・ソングを2」を観て、「これだ、歌手になろう」と。あの瞬間、どこからやってきたのか全くわからないですが、なんの根拠も無い己への絶対的な自信がありました。