
田房:この10年でもだいぶ変わったと思います。これは私が住んでいた地域だけかもしれませんが、10年前は子どもを公園に連れてきて、面倒を見ずにベンチで寝ているパパの姿をよく目にしました。ベンチで横になってママが寝ていたら、びっくりするじゃないですか。
武田:確かにそうですね。
田房:ママがベンチで寝ていたら、「具合悪いんですか」ってなると思うんです。でも、男の人だと逆に「疲れているのに公園連れてきて偉いね」。そういうジェンダーギャップみたいなものを感じていたんだけど、最近はパパたちも子どもをちゃんと世話しに来ているんです。社会の全体的な意識の変化をすごい感じるから、そういうところはちゃんと称賛したい。みんなでよく頑張っているよね、みたいな雰囲気を作りつつ、いい方向にいけるといいですよね。
こういうふうにしましょうって、誰かに言われたわけじゃなくて、やっぱり空気ですね、きっと。「あれっ、何か俺だけちょっと違うから、ほかのパパに合わせようか」とか。そういうことで出来上がっていくんですよね。
武田:それって、物事の健全化のいろんなところに言えることですし、そういうことが社会のあちこちで起きていけばいいですよね。
(構成/編集部・三島恵美子)
※AERA 2023年6月5日号より抜粋
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