金融庁エントランス
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 新しいNISAで投資枠の上限まで買ったあとに売却すると非課税枠が「復活」する。その仕組みを巨大な図で解説しよう。理解してしまえば簡単! アエラ増刊「AERA Money 2023春夏号」より。

【図表】新しいNISA「枠の復活」巨大図解はこちら

 新しいNISAの画期的な<機能>が「非課税投資枠の復活」だ。まずは金融庁の説明を聞こう。

「新しいNISAで、非課税保有限度額の上限(1800万円)まで買ったとする。1800万円分を買った『あと』に一部または全部を売却すると、非課税保有限度額に『空き』ができる。

 その分、新たに買えるようになる。枠が復活するのは売却した年の『翌年』だ」(金融庁)

 要点がわかったところで、具体例も欲しい。そこで本誌が作成した図をもとに、東京証券取引所執行役員の長谷川高顕さんから、日本株や投資信託(以下、投信。東証ETFでも株式投信でも、基本は同じ)を例に教わった。

「新しいNISAでは、1年間で『つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円』まで投資できます。

 年360万円を投資すると、5年で合計1800万円分(つみたて投資枠600万円+成長投資枠1200万円)を買えます」

 最短5年で枠いっぱいまで投資をし、その後に一部を売却した場合の例で説明しよう。

 ソニーの株を合計(1株1万2000円×200株)で240万円分買った。

 その後、株価は2万円に値上がり。200株のうち100株だけを売却し「2万円×100株=200万円」を受け取った。買ったときの株価は1万2000円だから利益は80万円(非課税)。さて、翌年に復活する枠の額は?

 買ったときの「株価1万2000円×100株=120万円」だ。売ったときの「株価2万円×100株=200万円」ではない。

「新しいNISAで金融商品を売却したとき、翌年に復活する枠は『買値ベース(簿価)』です。売却時の金額が復活するわけではありません」(長谷川さん)

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同じ金融商品を何度も買ったら枠の復活はどうなる?