「日本株の魅力を知ってほしい。市場改革はこれからも続く」(山道裕己JPX CEO)
「日本株の魅力を知ってほしい。市場改革はこれからも続く」(山道裕己JPX CEO)

 受験も営業成績も国際派ビジネスマンになる夢も、自分の努力でモノにする。目標に対して必ず成果を残すのが山道スタイルなら、証券市場のさらなる活性化も期待できそうだ。

 そこで山道氏に質問した。政府は資産所得倍増を掲げ、2024年にNISA(少額投資非課税制度)を全面刷新する。

 株式やETF(上場投資信託)が最大1200万円買える成長投資枠もあるが、東証ETFに注目が集まっている。投資信託にないメリットは?

「ETFは株式と同様に取引所でリアルタイムに売買できるのが特長です。また、組み入れ銘柄の配当はすべて分配金として投資家に支払うルールがあります。透明性の高さは投資において重要です」

 山道氏はコストの安さも強調した。たとえばS&P500の東証ETFには信託報酬(年率、税込み/以下同)0.077%のものが為替ヘッジの有無により計6本。TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価のETFは最安が0.0495%。いずれも通常の投資信託より安い——まさに、立て板に水。優秀な営業マンだった山道氏の商品説明力は健在である。

 現在、NISAの人気は米国株関連に集中している。日本の資金が米国へ流出していくようにも映るが、山道氏はどう見ているか?

「ここ数年の値動きで日本株より米国株に軍配が上がるのは事実です。しかし、アップルやマイクロソフトなどの巨大IT企業を除けば日米で極端に差が開いているわけではありません。

東証の上場企業は3803社(2023年3月末)。優れた技術を武器にBtoB(企業間取引)で高い世界シェアを獲得している企業、魅力的な商品・サービスで国際展開をしている企業は多いのです。

日本に住む人にとって日本株は身近で、情報も集めやすいはず。株式投資を通じて応援してほしいと思います」

 JPXだけで解決できない問題もある。最低投資金額の高さだ。1株単位から買える米国株に対し、日本株は最低100株単位。株価1000円なら10万円が必要だ。

(編集部注:ネット証券等の端株サービスを利用すれば日本株を1株単位で買うことは可能。ここでは、日本株の一般的な最低投資単位について書いています)

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