坂崎:僕ら自身はとくに変わってないと思います。
桜井:例えば僕らが会社員や経営者だったら、経験を積んで人間的に丸くなったりとかするんでしょうけど、学生時代からずっと3人一緒で、環境も変わっていないからね。
坂崎:そこだよね。お勤め行って家族ができて子供ができてってなると、学生時代のようにはいかないと思うけど、大学のときから環境が全く変わらないからね。ライブはだいぶ円熟してうまくなったかもしれないけど。
高見沢:ステージの緊張感と客席の声援の中で演奏することが、いちばんの練習になりますね。そのなかで2800本以上もやり続けているので、それぞれの技量は確実に進化している。長く続けるということはそういうことかなと思いますね。
桜井:演奏もそうだし、コーラスもそうだよな。いちばん気にしてるのは、やっぱり声がどう出せるかってことですね。声帯も筋肉だって言いますからね、若い頃と同じ歌い方をしていると、もう絶対歌えないですよ。だけど、そう思わせないのは、結局、現役を続けていることがいちばんの強みだと思いますけどね。
高見沢:アルフィーにはデビューから、いろんな試練がありました。それを乗り越えるためには、アルフィーの強みである3人がひとつのかたまりになる必要があって、それぞれが突出したミュージシャンではないので、今にして思えば3人でひとつっていうのが鉄則だったと思う。3人で音を奏で、個性の違う声が合わさることで個性的なTHE ALFEEサウンドが生まれた。そういう自信をつけるのに、50年という月日が必要だったのかもしれないですね。バンドは長く続けることに矜持があると思うので、それをいちばん身をもって証明しているのが、僕らかもしれないですね
――5月17日、通算72枚目のシングル「鋼の騎士 Q/Never Say Die」が発売された。4タイプあるジャケットの中で、桜井がセンターにいる通常盤がSNSなどで話題に。