花粉の舞う季節がやってきました。
花粉症の人にとって、この辛い時期をいかに過ごすか、毎年悩ましい思いをしているのではないでしょうか。
昨年は花粉の飛散数が少なく、比較的症状が軽かった人も多いようですが、今年は関東を中心に東北、北陸で飛散数が多くなりそうです。
ブルーになる気持ちをぐっとこらえて、さあ、予防対策!病院等で適切な処方を受けることももちろん大事ですが、できることを少しずつ始めて、症状の軽減を図ってみてはいかがでしょう。
花粉の基本情報と合わせて紹介します。
関東では前年の約2倍。四国、九州は減少
日本は世界でも有数の花粉症の多い国です。
現在報告されているだけで、花粉アレルギーの種類は約60種類。そのなかで最も多いのがスギ花粉で、花粉症の約70%を占めていると言われています。
今年は、年明けから気温が高かったので、例年より早い2月上旬からスギ花粉の飛散が始まりました。
花粉の飛散数は、前年の夏の気象条件により変わります。夏が暑く雨が少ないと、花芽がよく育ち花粉も増えるのですね。この法則に当てはめると、昨夏は東日本、北日本が暑く、西日本(とくに九州・四国地方)はあまり暑くならず雨も多かった。
そのため今年の飛散数は関東、東北、北陸では昨年の約2〜3倍、東海地方は1.3倍、北海道、近畿は前年並み、四国、九州では非常に少なくなると予測されています。
ただ、昨年の飛散数が少なかったので、今年は北海道など一部を除いて、全国的に例年並みか、やや少ない飛散数になりそうです。
雨上がりや、気温の高い日、 風の強い日は要注意
では、花粉が多く飛んでいるのはいつなのでしょうか。
花粉が多く飛散する日は、
・晴れて気温の高い日
・空気が乾燥して風が強い日
・雨上がりの次の日や、気温の高い日が2、3日続いた後、になります。
そして飛散数の多い時間帯は、
・昼前後
・夕方 です。
このときにしっかりセルフケアを行えば、花粉症の軽減が期待できるわけです。
花粉を体内に入れないためにやっておきたいセルフケア
花粉症の症状が出るのは主に眼と鼻です。症状の出方は人によってまちまちですが、早め早めにケアをして、なるべく体内に花粉を入れないことが大切です。
〈マスクとメガネ〉
基本中の基本ですが、マスクを着用するだけで1/3〜1/6の花粉をカットし、症状を軽減する効果があります。マスク内に小さなガーゼ(インナーマスク)を当てると、さらに鼻に入る花粉をカットできます。
またメガネをすることで、眼に入る花粉の約40%を減らすことができるので、とくに飛散の多い時間帯の外出では、しっかり保護することが大切です。
〈服装の注意〉
最も花粉が付着しやすいのはウール類。ウールコートの付着率はかなり高いので、できるだけ綿やポリエステルのジャケットを着用した方がいいでしょう。
帰宅後は、玄関に入る前に衣類に付いた花粉を落としてから家に入りましょう。
〈掃除と換気〉
昼前後の最も花粉が多い時間に換気をすることはとても危険。3LDKのマンションで1時間換気をした場合、約1000万個の花粉が屋内に入ったという実験結果もあります。窓の開閉はできるだけ少なく、朝のうちに掃除を済ませておく方がよさそうです。
〈手洗いうがい〉
帰宅後の手洗い、うがいはもちろん、おすすめなのが鼻うがいです。
用意するのは濃度1%の塩ぬるま湯。作りやすい分量だと、500ccのぬるま湯に塩小さじ1弱(小さじ1=6gになります)を混ぜます。この濃度は、人の体液の塩分濃度に近いため、鼻に入れてもツンとしないのですね。その塩ぬるま湯を、ミルクピッチャーやスポイトなど流し込みやすい容器に入れて、鼻に入れます。水が喉を通る感覚があるので、口に来たらそのまま吐き出します。作った塩水は一週間程度で使い切ります。
注意点は、終わった後に鼻をかまないこと。軽く、タオルやティッシュで押さえる程度にしましょう。鼻の病気のある方は、医師に相談してから始めてみてくださいね。
花粉症は、予防のためのセルフケアがとても大事。すでに発症している方も予備軍の方も、日々の花粉情報をしっかり把握して、この季節を共に乗り切っていきましょう。◎参考 花粉症環境保険マニュアル(環境省)※今年の花粉情報、鼻うがいについては除く