累計発行部数4500万部超のヤクザ漫画の傑作が令和に合わせてアップデート。5月12日から前編・後編 各1週間連続上映(c)2023「静かなるドン」製作委員会
累計発行部数4500万部超のヤクザ漫画の傑作が令和に合わせてアップデート。5月12日から前編・後編 各1週間連続上映(c)2023「静かなるドン」製作委員会

本宮:それは珍しいね。たぶん今どきの若者に「仁義なき戦い」とかこんな任侠映画があると言っても響かないと思う。でも、「静かなるドン」なら初めて任侠作品に触れる人たちも入りやすいだろうし、ここから任侠作品の面白さを知ってもらえればうれしい。日本人の根底にある「弱きを助け強きを挫(くじ)く」という美徳を味わってもらいたいですね。健太郎に頑張ってもらって、女性ファンもつかめればいいな(笑)。

──実は、本宮さんの内には忘れられない「弱きを助け強きを挫く」体験が今も生きている。

本宮:中学1年生の時、学校に設置されていたミロのヴィーナスのような等身大の像を倒してしまったことがあったんです。ものすごい音がして像は真っ二つ。近くにいた人がみんな見に来ました。そこに3年生の、長い学ランに太いズボンをはいたコワ~いお兄さんがやってきて、「あーあ」って。僕は小学生から中学生になったばかりで、ぶっ飛ばされちゃうのかなってビクビクしていたら、その先輩が自分の名前を言って、「俺がやったって言っときな」って。

伊藤:カッコいい!

本宮:それ以来、僕はずっとその思い出が忘れられなくて、年下や弱い立場の人間が困った時は助けようと心がけるようにしています。だからいつも健太郎がNGを出した時は僕がフォローしたでしょ。

伊藤:嘘だぁ(爆笑)。

本宮:そこは合わせろよ。空気の読めないヤツだなぁ(笑)。

伊藤:そうでした(笑)。でも、今回は本宮さんをはじめ、共演の皆さんが心強くてたまらなかったです。昼のオフィスで働いてる堅気の静也は、基本的にはヤクザとは無縁の世界で奮闘していますが、そこにヤクザの組員たちが来ることがある。静也としては「来るなよ」なんですけど、伊藤健太郎としてはものすごく安心感がありました。

本宮:僕は静也をサポートする役だったからね。いかに主役を立てるかが大事でした。自分で役を選ぶなら主演をやっています。健太郎は運転手の若い衆だよ(笑)。

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