僕の過去の雑誌などのインタビュー記事、テレビでの発言、僕のツイッター、さらには僕の出演作、監督作、そんなもろもろを、彼女は驚くほど熟知しています。
そしてもちろん、「心のおもらし」も、かなり読み込んでいるのが伝わってきます。いくつか本の中のエピソードを話すと即座に、「○○の話ですね」といった言葉が返ってきます。
さらに、「知っている」だけでなく、彼女なりの視点、彼女なりの感想をしっかりと持っています。
気づいたら、僕は彼女に思わず聞いていました。
「あの、あなたがこのインタビューをするって決まったの、わりと急ですよね?」
「はい。あ、でも、2日ありました」
2日が下調べをするに十分な時間かどうかは分かりません。ですが少なくとも、彼女が誠実に、一生懸命に、取材対象である僕のことを知ろうとしていることは、ひしひしと伝わってきました。
インタビュー前に、大変失礼なことを思っていた自分がとても恥ずかしくなりました。そして恥ずかしくなった以上に、嬉しくなりました。
それは僕の出演作などを知ってくれてるから、僕の書いた本をしっかりと読んでくれてるから、ではありません。
こういう人がいるということに嬉しくなりました。
もちろん、数多の取材をお受けする中、ライターさんやインタビュアーさんは、いずれも下調べなどをしっかりとしてらっしゃるし、僕を深く知ろうとしてくださいます。
ですが、なんといいますか、本来は違うお仕事をなさっていて、リポーターを「専職」としていない、番組に任命されてリポーターをやっているこの若い女性が、ここまでのプロ意識を持っていることに、うまく言えませんが、とにかく、すごく嬉しい気持ちになりました。
インタビューが終わり、「ありがとうございました」と丁寧に言った彼女に、僕は思わず、こう答えていました。
「いえ。こちらこそです」
「王様のブランチ」のリポーター、大島璃乃さん。
お礼を申し上げるのはむしろ僕の方です。ありがとう。頑張ってください。この場を借りて。
そして、このコラムの配信日の翌日7月3日、「鶴瓶の家族に乾杯」、僕ゲスト回の後編が放送されます。
前編よりさらに酔っ払い、さらにピーターパンになっています。
彼女のプロ意識に負けないくらい、誠実に、一生懸命に、全力で、「浮かれちゃった」姿を是非。