広末涼子
広末涼子

 広末涼子(42)が無期限の活動休止を発表した。不倫騒動をうけての、本人および所属事務所の判断だ。

【写真】2年前、まさかの電撃離婚をした「セレブ妻」といえばこの人

 彼女のスキャンダルは珍しくないが、不倫となると初めて。世間やネットの反応はさまざまで、驚きを示すものもあればそうでもないというものもある。

 なかでも象徴的なのが「広末涼子W不倫疑惑に広がる“妙な納得感” 同世代アンチ女性は数々の奇行に眉をひそめてきた」(日刊ゲンダイDIGITAL)という記事だ。けっこうスキャンダラスな彼女が、同世代のトップ芸能人としてもてはやされ続けてきたことにもやもやしていた人たちにとっては、今回の不倫は「ほら、やっぱり」的な感覚なのかもしれない。

 14歳でデビューしてしばらくは、ボーイッシュな清純派アイドルとして活躍したものの、18歳くらいから迷走が目立ち始めた広末。一芸入試的に入った早稲田大学にはなかなか登校せず、かわりに恋人との同棲が報じられた。

 その後も異性関係については自由奔放で、結婚離婚、再婚を経験。それでもなお、女優として高く評価され、昨年は「ベストマザー賞」を受賞したり「ヒロスエの思考地図」と題した哲学系の本を出版したりしている。

 ただ、不倫は犯罪ではないし、当事者たちとせいぜいその家族の問題だろう。それが「無期限の活動休止」という対応をしなくてはならない状況は行き過ぎにも思えるが、それが今という時代の現実でもある。だとしたら、彼女もこの逆風をしのいで、元のような活動を目指すしかない。

 そこで参考になる存在が斉藤由貴だ。こちらも元アイドルの女優であり、三度の不倫を経験しながらたくましく生き残っている。広末にもぜひ、そうなってほしいわけだが――。

 それは簡単ではないような気もしている。ふたりには似て非なるところもあるからだ。

 まず広末は、勉強もスポーツも得意なクラスの人気者が、そのまま日本中の人気者になってしまったというタイプ。「私、願いというものが悉くかなってしまうのだ」とまで、エッセーに書いている。

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宝泉薫

宝泉薫

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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斉藤由貴は今でいう「腐女子」