記者会見する岸田文雄首相(代表撮影)
記者会見する岸田文雄首相(代表撮影)
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 岸田文雄首相の6月13日の記者会見に永田町がざわついた。解散・総選挙についての質問に「情勢をよく見極めたい」と述べたためだ。「考えていない」というこれまでの内容から、自ら「解散風」を吹かせたともとれる発言。様々な臆測が飛び交うが、議員たちはすでに動き始めている。

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 岸田首相は6月13日の記者会見で、解散についての質問について、

「いつが適切なのか、諸般の情勢を総合して判断します。通常国会、会期末間近になっていろんな動きがあることが見込まれます。よって、情勢をよく見極めたいと考えております。そして、現時点ではそれ以上のことについてお答えすることは控えたいと考えます」

 と答えた。

 これまで「解散・総選挙は考えていない」と答えてきた岸田首相が発言を変えたことで、永田町では一気に「解散風」が吹き始めた。

 自民党のある中堅議員は14日朝、

「ポスターの撮影は今週にやるつもりだったけど、派閥で『一日でも早く』と言われて再調整中。SNS戦略も必要なので、オンライン会議でミーティングを入れて、地元の秘書、後援会に連絡して、選挙事務所や車、“ウグイスさん”などの手配もお願いしました。今日、寝たのは午前2時ごろで、起きたのは6時。早くも選挙モードですよ」

 と眠そうな声で教えてくれた。

 岸田首相は世論調査での内閣支持率の数字を気にすることで知られている。官邸関係者がこう打ち明ける。

「週末にはどのマスコミが世論調査をするのかしっかり把握して、その結果がわかればすぐに届けるのが官邸の大事な仕事です。ここ最近の世論調査は微増か微減なので、そう表情を変えません。しかし、広島サミット直後はすごくうれしそうでした。岸田首相は昨日の記者会見で解散・総選挙について聞かれ、一瞬、ニヤッとしました。あれと似た表情ですよ」

 記者会見での解散総選挙の質問は、あらかじめ記者クラブから通告を受けていたもの。岸田首相は内容を知っていてのあの表情だったのだ。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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