エド・シーラン、カントリー・ミュージックの大ファンであることを明かす
エド・シーラン、カントリー・ミュージックの大ファンであることを明かす

 エド・シーランが、現地時間2023年5月11日に開催された【第58回 アカデミー・オブ・カントリー・ミュージック・アワード】に出演することが9日に急遽発表された。彼の出演は、ルーク・コムズが共演を誘ったことで数週間前から決まっていたようだ。当日は、ニュー・アルバム『-(サブトラクト)』から「ライフ・ゴーズ・オン」のパフォーマンスをルークと披露した。

 米テキサス州フリスコのフォード・センターでのリハーサル後にバックステージで米ビルボードとのインタビューに応じた彼は、カントリー・ミュージックについて、「妻とはいつもこの話をしているんです。ぜひともカントリーに移行したいと。カントリーの文化が好きだし、ソングライティングが好きです。素晴らしい曲ばかりですよね」と語っている。

 エドは自分を大のカントリー・ミュージック・ファンだと考えている。彼は2013年と2018年の2回、ナッシュビルに長期滞在したことがあり、地元のソングライターたちにとても刺激を受けた。そんな彼は、「コミュニティのようなものです。ヨーロッパには、指を差して“あそこがソングライティングの本場だ”と言えるような場所はないんです。カントリー・ミュージックだけではありません。ナッシュビルは素晴らしいソングライター、素晴らしいパフォーマーの拠点です。そこにいて、みんなと一緒にいるだけで刺激を受けました」と振り返っている。

 エドがカントリー・ミュージックに目覚めたのはテイラー・スウィフトのおかげだ。彼は、「子どものころはカントリー・ミュージックを聴いたことがなかったんです。テイラーの【レッド・ツアー】に参加して、ナッシュビルに住んだことで、基本的に彼女がカントリー・ミュージックの側面を教えてくれました」と話す。

 今ではすっかりその魅力にハマった彼は、「イギリスにはCountryLine Radioというラジオ局があって、私と妻は毎日キッチンで一日中つけています」と付け加えている。

 カントリーの人気が国際的に高まるにつれ、世界的な成功を収めるアーティストが増えると彼は予想している。エドは、「ルーク・コムズは、おそらくイギリスのスタジアムを演奏できるでしょう。もし彼が来年の夏にウェンブリー(・スタジアム)で公演を開催したら、ソールドアウトできると思います」と述べているが、現在ワールド・ツアー中のコムズは、実際すでに10月にロンドンのO2アリーナでの公演を2つ予定している。

 2023年5月4日にエドは、2014年のヒット曲「シンキング・アウト・ラウド」が故マーヴィン・ゲイの1973年の名曲「レッツ・ゲット・イット・オン」に酷似していると訴えられていた著作権裁判で、盗用ではないと陪審員が裁定し勝利を勝ち取った。和解をせずに争うという姿勢がほかのソングライターたちの助けになればと考えている彼だが、こうした訴訟が“ビッグ・マネー・ビジネスになった”現在の文化を変えるには時間がかかるかもしれないと認めている。

 「でも、人々が力を入れて戦えば戦うほど、(訴訟を起こされることが)少なくなります、だってそれが文化になって、ビッグ・マネー・ビジネスになったのは、その脅威があるからです。そして弁護士に大金をかけたくない、時間を取りたくないという理由でみんな和解してしまうわけです」と彼は語り、「僕はアルバムのプロモーションを2週間休んで、自分の無実を証明するために弁護士に大金を費やしました。それがどんどん起これば、要は当て逃げをすればいいと考える人がいなくなると思うんです」と続けた。

 エドは、同業者やファンからの支持に支えられていたと言う。「ソングライティングのコミュニティだけでなく、あらゆる人、街で出会った人たちが本当に支持してくれているのを感じました。そして、それが正しいんだって実感したんです」と彼は語っている。