Jリーグ創設以来、ガンバを応援しているという48歳の男性サポーターは「連合が熱い気持ちでガンバを応援してきた姿は知っているし、応援をボイコットするという決断もチームを愛するがゆえだったと思う。選手やクラブと話し合って気持ちをぶつけたことで絆が強固になったと思う」と理解を示す一方で、違った見方もある。
30代後半の男性サポーターは、「ガンバを応援するかどうかはサポーターの自由だし、ボイコットは強要されるものではない。しかも連合は応援しないのにスタンドの最前列に陣取って黙って見ているだけ。試合後に選手たちを叱咤激励してハイタッチした後にこれから応援すると言われても、他のサポーターが置いてきぼりを食らった感じがする。美談になりませんよ」と冷ややかだ。
連合は選手たちと話し合った内容を、翌21日にツイッターで公開。「このボイコットは諦めたわけでも見捨てたわけでもない。距離を縮める為の苦肉の策。俺達は人生かけてやってる。これをネガティブに捉えずにここを底やと思って一緒に這い上がろう」と選手たちに訴えたことを箇条書きで記した文面を掲載した。
さらに、ガンバのサポーターに向けてもメッセージを配信。「次の試合からまた熱く激しくチームへのサポートを行うつもりです」「【今後について】今回の行動によって混乱を生みご迷惑をおかけしたことをお詫びします。決してネガティブな意図を持ち行動したことは無く選手や監督スタッフとより強固な信頼関係築き一丸となりこの苦境を乗り越え未来の栄光に繋げる為に起こした行動であるということをご理解ください」と呼びかけた。
Jリーグを取材するスポーツ紙記者は、ガンバの応援ボイコット騒動についてこう語る。
「サポーター集団が応援をボイコットするというのは他のクラブでも過去にもありましたが、応援するすべてのサポーターの理解を得られるかというとそうとは限らない。連合も覚悟はしていたでしょう。ただ、選手たちが受けたショックが大きいことは事実です。応援してくれるサポーターのために戦っているわけですから。宇佐美の流した涙が象徴的です。ああいう姿を見ると心が痛みます」
連合が応援を再開し、新潟戦で久々の白星をつかんだ。まだシーズンは半分も消化していない。辛く悔しかった日々を糧に、巻き返しを目指す。
(今川秀悟)