金子柱憲さん
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「世界中で自宅が一番くつろげる」と金子さん。金子さんが背にするリビングの大きな窓からは、庭が一望できる。東京生まれだが、横浜が気に入って、この家に住む前にも10年間、同じ街のマンションで暮らしていた。
家の中で唯一、力を入れたトレーニング室。体中の筋肉を細かく鍛える機器がずらりと並ぶ、プライベートスペースだ。「2日に1回、数時間は体を鍛える時間を作ります」
玄関を入って、まずたどり着くのが広くて明るいリビング。奥さまの意見で、リビングの奥に階段を設け、子どもが2階にある自室に行くためには、必ずこのリビングを通るようなつくりにした。

プロゴルファー・ゴルフ解説者金子柱憲さん

■敷地の半分以上を庭に

 プロゴルファーの金子柱憲さんが「好きな場所」に選んだのは、6年前に建てた横浜のとある住宅街にあるご自宅。新築の際に一番こだわったのは、 「四角くて広い庭を作る」ことだった。

「ずっと前から、子どもが生まれたら広い庭のある一軒家に住もうと決めていたんです。念願かなって、この家の敷地の半分以上を庭にできました。とにかく広さがほしいから四角にして、余分なものは一切置いていません。南向きで日当たりも十分。走り回ったり寝転んだりゴルフの練習をしたり、自由に使っています」

 ご自宅に伺ったのが春休み中ということもあり、庭では中1の息子さんがゴルフの自主練習中。「小学校ではサッカーをやっていて、地区の代表にもなったのだけど、中学になったらゴルフ部に入るって言って、練習しているんですよ」と、道具を手入れする息子さんをうれしそうに眺める金子さん。スイングを教えたり、一緒にコースを回ることもあるそうだ。

■家族が互いに思いやれる家

 庭にこだわったのには、わけがある。中2からゴルフ漬けの毎日を送っていた金子さん。厳しい父親のつきっきりの指導のおかげでプロゴルファーとして成功したが、一方では、一家の期待を背負い、学校から帰ったらすぐに練習をする日々のなかで、ほのぼのとした家の団らんに憧れていたという。そんな金子さんが家を新築する際に真っ先に思い浮かんだのが、アメリカのホームドラマに出てくるような、広い広い庭だった。

「家族で庭で遊んだり、友人たちが集って僕の手料理を食べるシーンをイメージしました。僕は庭のことばかりで、家の設計はほとんど妻任せでした。妻が『子どもの居場所がわかる家にしたい』と、子どもが必ずリビングを通って自分の部屋に行くようなつくりにしてくれたんです。これは、本当によかった。リビングからもキッチンからも庭が見渡せて、家族がお互いの存在を常に確認し合いながら、思いやれる家にできました」

 今年は金子さんにとって挑戦の年。4月からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科でスポーツマネジメントを学び、プロゴルフのシニア・ツアーも7月にスタート。現在よりも家で過ごす時間は減るが、「世界中のどこよりも家が好きだから、真っすぐ帰ってきますよ。そうそう、家の居心地がよくて、滅多に外に飲みにいかなくなりました。まったく、と言ったらウソになりますけどね(笑)」

●金子柱憲(かねこ よしのり)
1961年、東京都生まれ。14歳からゴルフを始め、22歳でプロに転向。 6回の優勝経験を持ち、1997年にはマスターズ・ゴルフ・トーナメン ト、全英オープン、全米プロゴルフ選手権に出場。 4月からは早稲田大学大学院の平田竹男研究室に入り、スポーツマネジメント学を学ぶ。 また7月からはシニア・ツアーに初参戦する。自宅にワインセラーを持つほどのワイン好きで、料理は食べるのも作るのも大好きという食通。

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