バックミラーの概要(公式サイトより)
バックミラーの概要(公式サイトより)

 自動車には必ず設置されているバックミラー。メーカーや車種によってそれほど大きな違いがあるわけではなく、また、何か要望が出るとは考えにくい部分ともいえる。

 そんなバッグミラーをさらに便利する製品の開発をパイオニアが発表した。パイオニアといえば、音響機器やカーナビなど自動車向け電装品を作ってきたイメージのある会社だ。「パイオニアがバックミラーなんて畑違いでは?」と思われるかもしれないが、電機メーカーが作ったミラーだけに中身はただものではなかった。

 同社が開発中というこのバックミラーは、鏡の半分くらいを占める5型のタッチパネル画面に加えた、Wi-FiやBluetoothといった通信機能も搭載するハイテクなものだ。AndroidをベースとしたOSで動作し、スマートフォンのようにタッチ操作も可能だが、基本的には音声での操作になるのだという。

 その音声による操作に関しては、「音声対話型ドライブエージェントサービス」(NTTドコモとの共同開発)を採用。周辺検索やナビの操作など、走行中の音声対話型操作を実現するという。また、車内環境に合わせてノイズキャンセリングが行われるマイクも備えているため、何度も言い直したり、騒音で音声入力ができなかったり、という心配は軽減しそうだ。

 そして通信回線には、NTTドコモの通信網を利用したLTE回線が利用でき、走行中でも常にネットワークと接続した状態で、最新の渋滞情報を反映したナビ機能や、最新のニュースや天気などの情報が得られるという。

 さらに、スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機などを繋げられるインターネット用アクセスポイントとしても利用可能で、NTTドコモが、ゲーム機やデジタルフォトフレームなど、通信モジュールが組み込まれた特定デバイス向け展開している料金プラン「デバイスプラス300」にも対応を予定している。

 また、カメラが内蔵されており、撮影しながらリアルタイムで映像を解析。そのデータをもとに、車線中央から左右に偏った走行をしている場合や、前方車両が発進した場合に画像と音声でドライバーに知らせるといった機能も備えているという。また、バックモニター化できるオプションも予定されている。

 パイオニアは、NTTドコモとの資本・業務提携を発表し、スマートフォン・タブレット向け音声対話システム「しゃべってコンシェル」を応用したカーナビ向け情報サービス「ドコモ ドライブネットインフォ」などを共同開発し、実用化している。もちろん、このバックミラーの実用化も、ドコモとの共同開発の成果だ。

 今後もこういった驚きの商品を開発してくれることに期待したい。