5月15日はアンビエント・ミュージックのパイオニアとしても知られる巨匠ブライアン・イーノの71歳の誕生日。
ブライアン・イーノは1948年5月15日、イギリス・サフォーク州ウッドブリッジ生まれ。初期ロキシー・ミュージックへの参加で注目と人気を集め、1973年のバンド脱退以降は、ロックから前衛音楽的な要素を取り入れたアンビエント・ミュージックへと自身の音楽性を転換させていった。その代表作として知られるのが、イーノがアンビエント・ミュージック第一弾として1978年に発表した『アンビエント1/ミュージック・フォー・エアポーツ』。タイトル通り空港をテーマとした作品で、同作は現在までアンビエント・ミュージックにおける最重要名盤に位置づけられている。アーティストとしての活躍と並行して、ハロルド・バッドやダニエル・ラノワなど新たな才能の発掘や、デヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズ、U2、コールドプレイの作品のプロデュースなども務め、“天才音楽家”としての地位を不動のものにした。ロキシー・ミュージックは今年【ロックの殿堂】入りを果たしているが、イーノは3月に米ニューヨークでおこなわれた式典には欠席。その理由について、環境問題への配慮として「1年間飛行機に乗らないと決めている」ためとしている。
イーノは7月19日にNASAの月面着陸のドキュメンタリー映画『宇宙へのフロンティア』のサウンドトラックとして1983年に発表した傑作『アポロ』の最新リマスターと新曲11曲のボーナス・ディスクの2CDで構成されたエクステンデッド・ヴァージョンをリリース予定。これにより約30年ぶりにダニエル・ラノワ、ロジャー・イーノとのコラボレーションが実現している。リリースに先駆け、NASAのレア映像を使用した新曲「ライク・アイ・ワズ・ア・スペクテイター」のミュージックビデオが公開されている。