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 iOSのアップデートが行われると、日本人ならどうしても気になるのが日本語入力の性能ではないだろうか。最新のiOS 8では、サードパーティ製の日本語入力システムの利用が解禁となったのを皮切りに、各社が対応製品を発表している。その中で注目なのが、2014年9月22日に発売となったジャストシステムの「ATOK for iOS」だ。

「ATOK for iOS」はiOS 8を搭載したiPhoneやiPod touch 、iPadで利用できる日本語入力システム。同アプリをインストールするとiOSのシステム全体でATOKによる入力が可能となる。動作する具体的な端末は最近リリースされたiPhone 6/6 Plusを始め、iPhone5シリーズの5s/5c/5、iPhone4s、iPadは第3世代/第4世代/iPad 2/iPad mini/Pad Airで、iPod Touchは第5世代となっている。価格は1500円。

「ATOK for iOS」の特徴は何と言っても、Mac、Windows向け「ATOK」相当の高性能な文字変換エンジン「ATOK EV Engine」を搭載している点で、高い変換精度と推測変換によって、スムーズで思いどおりの日本語変換が可能になるという。また、Mac、Windows向け「ATOK」にある、読みを間違って覚えている言葉を誤りなく入力支援する機能など、ATOKならではの支援機能を多数搭載し、入力効率が格段に向上、更に変換辞書に豊富な語彙を収録し、これまで変換できなかった新語や難解な言葉の入力にも対応している。

 また、上でも触れたが、PC版と同様にATOKならではの入力支援機能も充実している。文章の流れに応じた同音異義語の適切な表示(例えば「内蔵」と「内臓」、「驚異」と「脅威」など)や、長文、話し言葉などの誤変換によるイライラが軽減されているという。更に、ユーザーの打ち間違えにも対応しており、例えば「こんぼにえ」という打ち間違いを変換すると、ユーザーが打ちたかったであろう「コンビニエンスストア」が候補として表示されるといった具合だ。

 ユーザーインターフェースはiPhoneやiPad用に新設計されたもの。iPhone向けにはテンキーキーボードでのマルチタップとフリック入力が可能で、iPadではQWERTYキーボードが利用できる。加えて、長文を一気に変換しても文章の意味を捉えて正しい漢字変換を行えるという「変換キー」、文章の編集に便利なフリック操作対応の「らくらくカーソル移動」機能や句読点などから文頭までの範囲を一気に選択して消せる「まとめて削除」など、これまでのAndroidOS用の「ATOK」の開発で培ったノウハウを活かした機能も搭載している。

 今後、ジャストシステムは、iPhoneやiPad向けの新機能はもちろん、Mac、Windows向け「ATOK」と登録した単語が共有できる「ATOK Syncアドバンス」を始め、多くのデバイスやOSで共有できるマルチプラットフォームな「ATOK」を開発していく予定だ。 キーボードや入力方法についても、ユーザーが自分に適した使用ができるカスタマイズ機能も拡充していく予定だそうだ。

 長年多親しまれ、定評があるATOKがiOS 8から使えるようになった。それだけで日本人ユーザーにとっては、かなりのニュースと言えるだろう。果たして、誤変換に悩むiPhone/iPadユーザーを救うことはできるだろうか。

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