
情報サイトやショッピングサイトは、ユーザビリティの高さと機能性の高さに加え、何が重視されているのか? ユーザーのより高い満足度を得るために、企業はどのような試みをしているのか? そんな永遠ともいえる課題のヒントとなりそうなサイトがある。
2014年7月、巨大流通グループとして全国展開をしているAEONグループが運営する、情報&ショッピングの総合ポータルサイト「AEON SQUARE(イオンスクエア)」内に、「女性のための有意義な情報ヒマツブシサイト」と銘打った、その名も「イオネーゼの泉」が登場した。このサイトには、「イオン探検隊」「イオンのNEW」「あの人に聞いた! インタビュー」「生活の知恵子」の四つのカテゴリーがあり、便利でおトクな情報を配信するというもの。それぞれのカテゴリーについて詳しくみてみよう。
「イオン探検隊」は、イオン店頭でのイベント情報や、普段は見ることのできない商品づくりの裏側をレポートするカテゴリーだ。14年7月下旬時点では、新店舗のレポートや、イオンを訪れたパパ&ママたちのファッションをスナップ写真で紹介した記事、ゲームやアニメで子供たちに人気の「妖怪ウォッチ」とのコラボイベント記事などが並んでいる。さらに「カルピス」の社員が子ども向けに行った「おいしい『カルピス』のつくりかた教室」のレポートといったユニークな記事もある。
「イオンのNEW」は、イオン店頭及びネットショップなどで扱いをスタートさせた新商品や新サービスを紹介し、それらに対する理解を深めてもらうためのカテゴリーだ。料理のレシピやアイデアを募集したり、イベント開催やお買い得情報の告知をしたりするなど、ユーザーに参加を促す記事が並ぶ。また、ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産物養殖管理協議会)が、環境を守って育てた養殖魚につける認証の仕組みと、イオン・グループで扱っているASC認証商品「骨取り白身魚(パンガシウス)」についても紹介。このように食についての知識や仕組みなどに関わる記事も掲載されている。
「あの人に聞いた!インタビュー」は、足しげくイオンに通う「イオネーゼ」から回答を得たというアンケートの結果や、イベントに参加した芸能人・著名人のインタビュー、はたまた従業員の裏話までも掲載されているカテゴリー。「消費税8%の影響」と題したやや硬めのアンケート結果をレポートする一方で、「イオネーゼに聞いた! 今、恋をしていますか?【男性編】」など、やや柔らかめのアンケート結果も発表している。ちなみにこの【男性編】では、なかなかに生々しい声が掲載されているので、興味のある方はぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
「生活の知恵子」は、知っていると便利で、おトクな情報を紹介するカテゴリーだ。旬の食材や話題の食材、さらにはポピュラーな食材の意外な食べ方を提案する「注目の食材でおいしさプラス『今日のうちごはんレシピ』」という連載記事を始め、「頑張りすぎない! 『◎◎するだけ』のプチダイエット」「LED電球の選び方~目利きのツボ~」など、生活に役立ちそうな知恵を紹介している。
企業は大きくなるにつれ、その企業のポリシーやそこで働く人々の素顔、商品についての背景などの情報が、消費者にはどうしても届きにくくなる。消費者にとっては、大きな企業がやっている店の物だから安心というショップ・ブランドの意識に繋がりやすかったのだが、最近は食品の産地偽装事件などの影響で、ブランドに対する認識が見直されてきている。
商品の背景にあるこだわりや、消費者参加型企画へのチャレンジなど、「イオネーゼの泉」を通じて、消費者がその店のことをよく知ることができれば、自然と足が赴くのではないだろうか。
なにより、紹介されている料理や食べ物の写真がよくて、ついつい見とれてしまう。はたと気づけば10分、20分と経っており、びっくり。まさに情報ヒマツブシサイトのなせる業なのだろう。