レディオヘッドのトム・ヨークが音楽監督を務めた映画『サスペリア』のルカ・グァダニーノ監督が、トム・ヨークに音楽を依頼した経緯を明かした。
イタリアの巨匠ダリオ・アルジェント監督による伝説のホラー映画『サスペリア』をグァダニーノ監督が再構築した本作は、1977年のベルリンを舞台に、舞踏団マルコス・ダンス・カンパニーに巣食う禁断の秘密を描く。オリジナル版は、鮮烈なビジュアルだけでなくプログレッシブ・ロックバンドのゴブリンが提供したサウンドトラックの完成度の高さが、今でも伝説として語り継がれている。ルカ・グァダニーノ監督と言えば、女性を中心に高い評価を得た『君の名前で僕を呼んで』が記憶に新しい。『君の名前で僕を呼んで』のサウンドトラックには、1983年のイタリアという時代背景に合わせた80’sナンバーが豊富に使用され、坂本龍一の楽曲も使用されるなど、日本でも映画の内容のみならず卓越した音楽センスが話題になった。本作ではイギリスの世界的ロックバンド・レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークがキャリア初となる映画全編の劇伴を務めている。
これまで既存の音楽を使用し、映画で使用するオリジナル楽曲を作曲家と作ることに消極的であるグァダニーノ監督は、本作に関しては、誰が曲を作ってもゴブリンと比較されるということがわかっていたが、最終的にオリジナル音楽が必要だと確信したという。グァダニーノ監督は「この映画には恐怖、悪、人間性を表現する特別なエネルギーが求められる。同時に強い現代性を持っている音楽が必要だったんだ」と語り、そうした音楽を求めて、トム・ヨークにアプローチ。「トムの音楽は深い洞察力と共感性に満ちている。彼が常に探求を怠らないから彼の声は我々の世代によく響くんだ。それに、彼の音楽には容赦なく心を掻き乱す力がある。私は、彼なら僕の映画のためにまったく妥協しないで音楽を創ってくれるとわかっていた」と、グァダニーノ監督が語る期待に応えるかのように、全身全霊でヨークが挑んだこのプロジェクトは素晴らしいものになった。
「ヨークの音楽は、私やキャスト、スタッフたちがまさに求めていたものだった、どれだけ本作の助けになったかわからないよ」とグァダニーノ監督も絶賛のコメントを寄せるトム・ヨークの音楽は、まさに史上最も美しいホラーの誕生に花を添えたといえよう。ダリオ・アルジェント版『サスペリア』をも超える伝説のホラーの誕生に期待がかかる。
◎公開情報
『サスペリア』
2019年1月25日(金)より、全国ロードショー
監督:ルカ・グァダニーノ
音楽:トム・ヨーク(レディオヘッド)
出演:ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントン、ミア・ゴス、ジェシカ・ハーパー、クロエ・グレース・モレッツほか
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