Google社が開発中のメガネ型ウエアラブル端末“Google Glass”のセンセーショナルな登場や、iOSを搭載した腕時計iWatchが今年中にも登場するという噂などから、一般的にも本格的な導入期が到来した感のある“身につけるコンピューター”ウエアラブル端末。その波はプロスポーツ界にも及んできている。
アディダス(独)は、サッカー選手に対する質の高いコンディション管理と、更なるパフォーマンス向上を図るために開発したウエアラブル端末システム「miCoach elite(マイコーチ エリート)」を開発。
同システムは、世界のプロサッカークラブでは、セリエA(イタリア)のACミランやブンデスリーガ(ドイツ)のFCバイエルンミュンヘン、MLS(メジャーリーグサッカー/アメリカ)の全クラブがすでに導入済みで、スペイン代表、ドイツ代表、コロンビア代表、メキシコ代表、アルゼンチン代表といったナショナルチームも利用している。
この度、アディダスジャパンによる日本での展開が開始され、5月7日には、Jリーグの横浜F・マリノスが、日本で初めてこのシステムを導入するとして話題を集めた。
このシステムは、
・小型測定器
・ユニフォームなどの下に着用する小型測定器装着用のシャツ
・測定器からデータを収集する携帯型送受信機
・送受信機からのデータをiPadでリアルタイムで管理できるアプリケーション
・収集したトレーニングのデータ分析がウェブ上で簡単に行えるアプリケーション
の5つのアイテムによって構成されている。
これらを使用して選手のフィジカルデータを数値化することで、個人・チーム双方のトレーニング負荷とパフォーマンスの関係把握や、過去のパフォーマンスとの比較が可能となり、トレーニングの効率化とフィジカルなパフォーマンス向上が期待できる。
5月12日、ブラジル・ワールドカップに臨む日本代表メンバーが発表された。こうしたスマートなトレーニング方法を導入すれば、トレーニングメニューの効率化ひいてはオーバーワークによる故障も防げるなど、メリットは大きいと考えられる。欧州での導入実績を鑑みると、日本でも導入するチームが増えそうである。
また同システムは、上記のほかにも腕時計型などいくつかの形態があり、サッカーのみならず様々なスポーツでの使用が想定されている。今後スポーツ界全体に波及すれば個人の運動能力あるいはチーム力の向上が期待できるのではないだろうか。