テクノロジー化によって、人が削減されてしまう分、人の価値が上がるとも予想されている。人の接客は“贅沢品”になる可能性があるという。AERA 2023年3月20日号の特集「ChatGPTの衝撃」から、ここでは「GPTによってラクになる仕事」を紹介する。
【表の続き】ChatGPTが答えた「将来なくなる17の仕事」はこちら】
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テクノロジーの力を駆使すれば、仕事の効率がぐんと上がるのは誰もが体感しているだろう。そろばんが電卓になり、今やエクセルを使えば膨大な計算だって朝飯前だ。
オックスフォード大が「AIによってなくなる仕事」を発表してから10年、時代は大きく変わった。
だったら、逆に聞こう。
ChatGPTに「GPTによってなくなる仕事は?」を。
そう投げかけると、「私は人々の仕事を奪うことは意図しておらず、そのようなリストを提供することはできません」としながらも「なくせる業務」を教えてくれた。
単純作業やカスタマーサポート、文章作成など17の業務がずらりと並ぶ。これらの仕事が簡略化できるようになれば、仕事はどうなるのだろうか。
アナログな接点に回帰
「GPTを使いこなして新しいことに踏み出す人と、そうでない人の格差がさらに広がります」
そう警鐘を鳴らすのは、AIのビジネス活用に詳しい立命館大学大学院教授の青山敦さんだ。とりわけ、製造業や農業、金融業といった人による仕事の差が激しい業界で大変革が起きるという。
「従来は『それほどでもない人』でも生きていけるのが会社の意義でした。でも、同一労働同一賃金が崩壊し、イノベーティブな人とそうでない人の差がより広がる可能性は高いです」
雇用環境が変われば、生活にも変化が起きる。カルチャースタディーズ研究所代表の三浦展(あつし)さんは、こう指摘する。
「テクノロジーというのは、常に人を減らす方向に動いてきました。それによって十分な収入を得ることができなくなった人が孤独感に苛(さいな)まれてきた。この構造を良くするというのはとても難しい問題です」