『4月25日はなんの日?』トーク・ボックスの先駆者、ロジャー・トラウトマンの命日
『4月25日はなんの日?』トーク・ボックスの先駆者、ロジャー・トラウトマンの命日

 4月25日は80年代に活躍したアメリカのファンク・バンド、ザップ(ZAPP)の中心人物として知られるボーカリスト/ギタリストのロジャー・トラウトマンの命日。

 1951年11月29日アメリカ・オハイオ州ハミルトン生まれのロジャー・トラウトマンは、1978年に兄弟のレスター、ラリー、テリーとともにファンク・バンド、ザップを結成。幼なじみだったブーツィー・コリンズや、ジョージ・クリントンらPファンク勢全面バックアップのもと、1980年にメジャーデビュー。ロジャーはバンド活動と並行して翌年ソロ・デビューも果たし、トーク・ボックスを駆使したボーカルと軽快なカッティング・ギターで80年代ファンク界の代表人物のひとりとなった。

 ロジャーのオリジナリティ溢れるボーカル・スタイルがのちの音楽シーンに与えた影響は大きく、ファンク界のみならずトーク・ボックスのパイオニアとして広くリスペクトされている。また、90年代後半のヒップホップ・シーンでは数多くのアーティストによってザップ&ソロ楽曲がサンプリングされているほか、2パックとドクター・ドレーによる全米ビルボードNo.1ソング「カリフォルニア・ラヴ」(1995年)ではロジャーが大フィーチャーされるなど再注目を集めたが、1999年4月25日、地元オハイオで、ロジャーが銃撃され死亡。そして、そのすぐ近くで同じくザップのメンバーだった実兄ラリーが自殺しているのが発見される。

 メンバーそして家族を失ったザップは一時バンド継続が危ぶまれたものの、残されたテリー、レスターの2人を中心にこの悲劇を乗り越え、ロジャーの担っていた役割をメンバー全員が担うといった新たなスタイルのもと現在まで精力的に活動を続けている。