尚、井戸川前町長は、原発事故後の対応を巡り福島県および双葉町議会と対立し、辞職。以降、政府や福島県への批判を繰り返す中、昨年7月に行われた参議院議員選挙に立候補し、選挙活動中に「震災の8日前に、地震津波があることを政府や東京電力、東北電力や日本原燃はわかっていたのに発表を止めた」などと発言しています。当然、選挙には落選しましたが、選挙活動中にこのような程度の低い"陰謀論"を公衆の面前で口にする人が、「福島の真実」を語っている人物といえるでしょうか。そうであると判断した側の見識を疑わざるを得ないでしょう。



 本作には井戸川さん以外にも、福島大学行政政策学科類准教授の荒木田岳さんも登場し、「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」などと発言。また、岐阜環境医学研究所所長の松井英介さんも本人役で登場し、大阪にある東日本大震災の瓦礫処理を行う焼却場付近の多くの住人に健康被害が出ていると説明する描写があります。



 このあたりについても、両人が「実態」「真実」をどれだけ正確に把握されているのかを、検証する必要があるかもしれません。もし多くの専門家、行政関係者がウソをついていて、彼らだけが「真実」を知っているというのであれば、是非、『美味しんぼ』の中で事実関係を明らかにしてもらえたらなと思います。


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