
朝、子どもを学校に送り出してから勉強机の上を見ると、提出するはずのプリントと授業に必要なノートが残ったまま……。忘れ物を繰り返す子どもに、「集中力が足りないのでは?」などと心配せずにいられない方も多いのでは?
今回は、新学期から始める「忘れ物をなくそう大作戦」をご紹介します。
■思い出す工夫と仕掛けに加えきちんとした生活習慣を
大人でもよくある忘れ物ですが、子どもがあまりに繰り返していると、さすがに心配ではないでしょうか。子どもは記憶力はいいのですが、覚えたことを自分から「思い出す」ことができずに、忘れ物をしてしまうのだそうです。
忘れ物をなくすには、子どもの成長に合わせて親がうまくサポートしてあげることも要のひとつ。たとえば3歳までは、親が中心となって片付けを手伝い、保育園などへの持ち物も親が準備してあげます。次第に子どもに片付けや明日の用意をさせるようにし、6歳くらいからは、子ども自身に準備や整頓を積極的にさせるようにします。とはいえ、まだ完璧にはできませんから、「プリントは持っていかなくていい?」「体操着はいらないの?」などと、言葉でフォローすることが肝心。そして中学年の10歳くらいを目安に、以降は一人で自分の持ち物を揃え、忘れずに持っていける習慣をつけさせます。
そうした持ち物チェックや声掛けのほかに大切なことは、日々の生活習慣にあります。子どもが思い出すための仕掛けや工夫を施したとしても、きちんとした生活習慣が確立していなければ、せっかくの効果も半減してしまいます。朝、子どもが出かける30分前に起きているようでは心配です。起きる時間、出かけるまでの行動を習慣化することも重要です。生活習慣がしっかりしていれば、時間にも、気持ちにもゆとりが生まれ、うっかりミスを減らすことができるのです。
<まずは心掛けたい3つのこと 親の心得編>
【心得1】 ゴールは「子どもが自分で準備できる」こと
子どもが小さいうちは手助けが必要ですが、6歳以降はうまくサポートしながら、見守ることも大切。心配のあまり、手助けをしすぎることは逆効果になります。
【心得2】 「忘れっぽい性格」だと決めつけないで!
忘れ物が多いことを本人や親の性格と決めつけたり、諦めたりすることは禁物。忘れやすい、忘れ物が多いと思うなら、それを補う工夫や仕掛けを考えましょう。
【心得3】 きちんとした「生活習慣」こそが重要
生活習慣がいい加減だと、忘れ物はなかなか減らすことができません。朝いつもギリギリに起きて、朝食もそこそこに学校へ向かうようでは、忘れ物があっても不思議ではないのです。
<親子のアイデア 初級編>
【アイデア1】 毎日の持ち物リストをつくる
持っていくべき持ち物をリストにして書き出すことは、思い出すきっかけにもなります。
【アイデア2】 リストは目につく場所に貼る
自然に目に入るところに貼ることで、視覚的にも意識づけが強くなります。
【アイデア3】 毎日のリストにないものは付せんに書いて貼る
臨時の持ち物は付せんにメモして、毎日のリストの上に貼るようにしましょう。
【アイデア4】 大事なことは目立つように印をつける
持っていく大事な物はメモや付せんに書き出して、さらにマーカーなどで印をつけましょう。
【アイデア5】 五感をフル活用する
リストや付せんなどで視覚として理解するだけでなく、聴覚の刺激も入るようにします。「体操着!」「ハンカチ、持った!」などと、指をさしながら声に出すこともおすすめです。
【アイデア6】 準備のときはそれだけに専念する
何かを同時にするのではなく、用意のみに集中させることが大切です。
<親子のアイデア 上級編>
【アイデア1】 取り出しやすく、しまいやすい収納に
子どもの行動をよく観察し、子ども自身が取り出しやすく、しまいやすい収納場所を工夫しましょう。
【アイデア2】 持ち物はグループ分けする
ランドセル、塾や習い事のカバン、オモチャや本など、子どもの持ち物を大きくグループ分けし、グループごとに置く場所をまとめます。
【アイデア3】 収納場所には7割しか入れない
棚や箱、ファイルなど、決めた収納場所には最大でも7割程度しか入れないようにします。満杯になると出し入れしにくくなり、物の散乱につながります。
【アイデア4】 透明やフタなしで「見える化」する
収納は外から中身が見えると何かと便利。フタをはずしておいたり、容器やファイルも透明なものを選ぶのがおすすめです。
【アイデア5】 余計な物はため込まずに捨てる
子どもの持ち物はどんどん増えていきます。7割の収納を保つためにも、親と相談して捨てることも習慣にしましょう。どうしても捨てられない物は、めったに出し入れしない収納場所へ。
【アイデア6】 毎日お決まりの動作パターンをつくる
夕飯を食べ終わったら、テレビを見る前に翌日の勉強道具を揃える。お風呂から上がったら、体操着を袋に入れてランドセルの横に置く。こうした一連の動作手順を決めることでも忘れものを減らすことができます。
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