「なんで、私が東大に?」

 これは某有名予備校のキャッチコピーですが、東大生の多くは開成高校や灘高校など日本中の名門高校出身者。「なんで?」と聞かれても、そりゃアナタ、頭いいですものねぇ、としか言えません。



 しかし、中には本当に「なんで?」という偏差値爆アゲ系の猛者もいます。



 今回紹介する、『妄想娘、東大をめざす』の著者・大石蘭さんは、なんと偏差値48の女子高から東大に合格したスーパーガール。現在は東京大学大学院に通いながら、雑誌『spoon.』などでライターやイラストレーターとして活躍しています。



 そもそも大石さんが東大を目指したのは、「中途半端な自分」を変えたかったから、だそうです。中学生のころから、ロリータ系ファッションブランド「エミリーテンプルキュート」が好きだった彼女ですが、部活も所属せず「誰にも負けないものなんてない」「あたしみたいな何もない人間」と、以前は自らを蔑んでいたのだとか。

 そして、そんな人間から、「洋服が似合うような自分」になるにはひたすら勉強するしかないと考え、日本最高峰である東大を目指すことにしたそうです。



 合格に向けて全ての「好き」を封印し、受験勉強に励む毎日。もちろん、偏差値48からの挑戦ですから、そんなに簡単に結果はついてきません。いつしか、大石さんは「余裕がなさすぎて気が付いたら『青春』みたいな劇の外側にいた」と感じるまで追い詰められていたそうです。

 また予備校では進学校の制服に囲まれていることにもプレッシャーを感じていた彼女。誰にも素性や学校がわからないよう大好きなエミリーテンプルキュートの服を着て、受験勉強に励んだのだとか。



「大好きなファッションに身を包んだ瞬間に自分だけの闘い方を思い出す」

 そう彼女は言います。

 ロリータファッションを戦闘服として受験戦争に挑む女子高生。とても素敵です。



 こんな自分になりたいと「妄想」し、そのために猛烈に努力し、偏差値48の女子校から東大に合格した大石さん。彼女が書き下ろした『妄想娘、東大をめざす』は、涙あり笑ありの東大受験奮闘記です。

 

 偏差値48のロリータファッション好きの女子高生がなんで、東大に? その答えは、この本にあります。