D・アルバーン/チャーリーXCXら参加、新進気鋭プロデューサーが放つ渾身のデビューAL / 『Mura Masa』Mura Masa(Album Review)
D・アルバーン/チャーリーXCXら参加、新進気鋭プロデューサーが放つ渾身のデビューAL / 『Mura Masa』Mura Masa(Album Review)

 英ガーンジー島出身の音楽プロデューサー、アレックス・クロッサンがソロ名義のMura Masaとして、デビュー・アルバム『Mura Masa』を2017年7月14日に発売した。Mura Masaは、2014年にミックステープ『サウンドトラック・トゥ・ア・デス』、2015年にEP盤『サムデイ・サムウェア』を発表しているが、スタジオ・アルバムは本作が初のリリースとなる。

 左サイドに横書きでタイトル名、右サイドに縦書きでゲストの名前が書かれたアートワークは、デザイン会社のCold Heart Collectiveとタッグを組んで制作されたものだそう。中央にはマイケル・ジャクソンのように斜めに傾くMura Masaの写真がプリントされている。この、インディー・アルバムのようなヤッツケ感も、決してダサくならないところが凄い。

 ジャケットにもクレジットされたゲスト・ミュージシャンが豪華。人気ラッパーのエイサップ・ロッキーとデザイナー、ポップ・シンガーのチャーリーXCXといった著名から、R&Bシンガーのナオ、そのナオのプロデュースなどを担当するA・K・ポール、同イギリス出身のミュージシャン、ジェイミー・リデルとデーモン・アルバーン、フランスの女性シンガーソングライター、クリスティーヌ&ザ・クイーンズなど、Mura Masaらしい人選ともいえる、質の高い実力派たちが参加した。

 本作からは、2015年5月にリリースされた「Firefly」をはじめ、7曲の先行シングルが発表された。2ndシングルの「What If I Go?」は、ゲストに注目の女性シンガー、ボンザイを迎えたカラフルなナンバーで、3曲目にリリースした「Love$ick」は、90年代を彷彿させるヒップホップ・チューン。トラップを取り入れた「All Around the World」や、ニューウェイブ調の「Helpline」、アジアのテイストを取り入れた「give me the ground」、独特の世界観を演出する「Who Is It Gonna B」や「Second 2 None」など、Mura Masaのセンスが光る、バラエティ豊かなアルバムに仕上がった。デビュー作に相応しい名盤といえる。

 Mura Masaは、2018年1月に東京・恵比寿のリキッドルームで来日公演を行う予定。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『Mura Masa』
Mura Masa
2017/7/14 RELEASE