モリッシー、故郷マンチェスターでのテロ事件に対する首相らの対応を痛烈批判
モリッシー、故郷マンチェスターでのテロ事件に対する首相らの対応を痛烈批判

 2017年5月22日にアリアナ・グランデがライブを行っていた英マンチェスター・アリーナ付近で起きた自爆テロで22人が死亡、59人が負傷した事件への政府や女王らの対応を、地元出身バンド、ザ・スミスの元メンバー、モリッシーが批判している。

 マンチェスターで育ったモリッシーは事件発生当日が58歳の誕生日だった。その翌23日に彼は、エリザベス女王、テリーザ・メイ首相、そしてロンドン市長のサディク・カーンらをこき下ろす内容の声明を自身のFacebookに公開した。

 「怒りが非常に大きい。いかなる理由でこういったことが終わるのだろうか?」と憤る彼は、メイ首相に対し、「“テロには屈しない(will not break us)”と言うけれど、彼女自身は防弾ガラスの中で生活していて、今日マンチェスターの死体安置所で若者の遺体を確認する必要がない」と痛烈に皮肉った。そして、「“屈しない”の本当の意味は、この悲劇に彼女や彼女が掲げる移民政策が壊されない(will not break)だけのこと。マンチェスターの若者たちはもう壊れてしまった」と怒りをぶつけた。

 彼はまた、エリザベス女王による事件を非難する声明が賞賛されていることを「バカバカしい」と一蹴し、事件の翌日にバッキンガム宮殿でガーデン・パーティが開かれたことを例に挙げ、イギリスのメディアによる批判が許されないことに憤った。

 ロンドンとマンチェスター両市長の事件への対応も批判したモリッシーは、「現代のイギリスでは、プライベートでは誰もが言っていることを公式な場で言うことを皆恐れすぎている。政治家は我々に“怖くない”と言うけれど、彼らは決して被害者にはならない。攻撃から守られた場所で“怖くない”と言うのは簡単だ。市民にはそのような防御はない」と締めくくっている。


◎モリッシーによる投稿
https://www.facebook.com/Morrissey/posts/1349891061714098