国土交通省海事局は、かねてから取り組む「クルーズ客船の活性化による観光振興策」について、イベントの実施と環境整備に力を入れる。これは、2013年4月に閣議決定された「海洋基本計画」、6月に観光立国推進閣僚会議で決定された「観光立国実現に向けたアクションプログラム」を強力に推進するための動き。イベントは2013年12月3日に沖縄県那覇市で「クルーズ・シンポジウム in 沖縄」、同年12月17日に福岡県福岡市で「日韓クルーズ・定期旅客船活性化フォーラム(仮称)」を開催する予定だ。
「クルーズ・シンポジウム in 沖縄」は、近隣諸国とのクルーズ客船を活用した相互交流において先進的な取り組みを進めている沖縄に着目。関係者との意見交換を通じて知見を共有するのとともに、沖縄振興に役立てる狙い。「日韓クルーズ・定期旅客船活性化フォーラム(仮称)」は9月26日に開催された第2回日韓海運協議の結果を受けての実施となる。
環境整備への取り組みにおいては、日本籍外航クルーズ客船が、短期間の国内クルーズを行う場合に配乗できる外国人船員について、従来は「サービス要員」に限っていたが、「運航部員」も可能となるよう見直しを行った。外航クルーズ客船における人材確保の自由度が高めることで、クルーズ事業運営の円滑化やサービスの幅の拡大を支援する。ここでいう「サービス要員」は、エンターテナー、ショップ、宿泊、レストラン等船内の乗客へのサービスを行う部門においてサービス業務に従事する船員、「運航部員」は、船内の甲板部や機関部等、船舶の運航を担う部門において、運航業務に従事する海技資格を有さない船員を指す。(記事提供:トラベルボイス)