漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏さんが「罠の戦争」(フジテレビ系 月曜22:00~)をウォッチした。
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人生を何周もブラッシュアップしたり、ブラック・ジャックが仮面つけたり、鬼面集団が病院を占拠したり。と、トリッキーな設定揃いの冬ドラマ。
そんな変化球の中、本作はどストレートなリベンジものだ。議員秘書・鷲津(草なぎ剛)の息子は歩道橋から突き落とされ、意識不明になった。
この事件を発端に、永田町の闇が蠢(うごめ)き出す。犯人不明のまま監視カメラの映像は抜かれ、警察の捜査は早々にストップ。
鷲津が仕えている犬飼大臣(本田博太郎)は、犯人捜しをやめるよう強く示唆。一体誰が隠蔽(いんぺい)を指示しているのか?
真相を明らかにすると誓った鷲津は、まず犬飼(漢字が苦手で、口を開けば暴言ばかりという既視感たっぷりのキャラ)を失脚させ、自らその地盤から立候補。
当選を果たし政治の中枢に飛び込めば、ついに黒幕が鶴巻幹事長(岸部一徳)であると判明。そして鶴巻派の女性議員・鴨井厚生労働大臣(片平なぎさ)の息子が犯人か? という今ココ。
このドラマ、登場人物の名字がすべて生き物しばりなのだ。鷲津が格言「上見ぬ鷲(何も恐れはばからぬさま)」ならば、幹事長は「鶴の一声」で政治も悪事も動かす。