学生のころバイトしていた美術館が、講堂で映画を上映した。企画担当者は地元暴力団に挨拶にいったそうだ。興行の世界は暴力団が仕切っているって本当なんだと驚いた。挨拶するとき、金品を持っていったかどうかは聞かなかったけれども。映画がしばしば暴力団をヒーローにするのは、彼らに対する映画界の媚(こび)なのかもしれない。「ミンボーの女」で暴力団を嘲笑した伊丹十三は襲撃されて大怪我をした。 森功の『大阪府…

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