最近、twitterという無料サイトにはまっている。1回に140字までしか書けない気楽でシンプルなシステムのページだ。表示されるのは、文字だけ。画像を貼ることもできない。
大勢の人が短文の書き込みを連ねているので、最初は雑多な印象を受けたのだけど、慣れてくると、その中で情報交換や心温まるやりとりが行われていることに気づき、夢中になってしまった。好きな時に好きな1行をつぶやく気楽さもいい。
そしてしばらく使っているうちに、この140字という字数制限に縛られていることに面白くなった。これはかなり短い。私のケータイ小説や新聞の連載小説は大抵1200字だから、その12%くらいという少なさだ。
ニューメディアが大好きな私は、以前からこのtwitterで小説の実験をしてみたいと考えていた。でもこの短さがネックでうまく思い浮かばなかった。
けれど先日小説誌で650字の超短編を書き、短い小説が面白くなっていたので、思い切って140字に挑戦した。昔の彼をネットで見かけたという物語だ。
すると、できたのだ。
たった140字で、ちゃんと起承転結もついている小説が。
できたことにも感動したが、もっと感動したのは、twitterにアップした途端「面白い」などと好意的な感想が多数書き込まれたことだった。相手も140字以内で感想を述べるのでレスも超速かつコンパクトだ。瞬く間に私の小説は、twitterのクチコミに乗って多くのユーザーに伝わっていった。
ケータイ小説のクチコミの速度を体感している私が驚くほどのスピードがtwitterにはあった。その日のうちにハングルに訳して紹介してくれるかたや真似して小説を書き出す人まで出てきて、ユーザーの敏捷(びんしょう)さに感激した。
こんな短い小説に挑戦するプロ作家は私が日本初なんじゃないかと思っていたら、なんと少なくとも2人が挑戦していた。津原泰水(つはらやすみ)さんと円城塔(えんじょうとう)さんだ。津原さんは連載小説、円城さんが私と同じ超短編を書かれていた。もしかしたら女性作家では私が最初なのだろうか?
このtwitter、アメリカでは大人気で1700万人もユーザーがいるらしい。日本でも勝間和代(かつまかずよ)さん、広瀬香美(ひろせこうみ)さんら著名人が使い、話題になっている。ブームはこれから本格的にやって来ることだろう。
内藤みかのtwitterはこちら。