Album Review: UKポップ界の歌姫フォクシーズ、『オール・アイ・ニード』で辿り着いた新境地とは?
Album Review: UKポップ界の歌姫フォクシーズ、『オール・アイ・ニード』で辿り着いた新境地とは?

 この独特な鼻にかかる歌声…どこかで聴いたことがあると思ったなら、3年前にへヴィプレイされた、ゼッドの大ヒット曲「クラリティ」ではないだろうか。1億5000回を超える視聴回数を突破した同曲で、パッチリ目のキュートなルックスと、その顔からは想像できないハスキーなヴォーカルを放っていたあの娘こそ、UKポップシーンの注目シンガー、フォクシーズだ。

 同曲のヒットを受けて、2013年に「ユース」でデビュー。翌年には2ndシングル「レット・ゴー・フォー・トゥナイト」、3rdシングル「ホールディング・オントゥ・ヘヴン」をリリースし、UKチャートではスマッシュ・ヒットを記録した。全米でも「ユース」がダンス・チャートでNo.1をマークし、EDMやディスコ・シーンでは注目を浴びることになる。

 結果、デビューアルバム『グロリアス』はUKで5位デビューを果たし、初のTOP10入りに、全米アルバム・チャートでは、ヒートシーカーズ・チャートで27位と大健闘。しかし、こんなものでは彼女の飛躍は終わらない。昨年、2ndアルバムに向けて、先行シングル「ボディー・トーク」がリリースされ、最優秀エレクトロニック・ダンス・ミュージック・アーティストにノミネートされた、ベイカーマットやTCTSのリミックスがフロアで掛かりまくり、更なるブレイクを果たす。

 秋にリリースされた6thシングル「ベター・ラヴ」も、100万視聴を超えるヒットを記録し、立て続けに発売された「アメイジング」は、昨年12月末にビデオが公開されるや、2週間で70万回を突破する人気曲に至っている。その3曲のヒットを受けて、2月10日に2ndアルバム『オール・アイ・ニード』がリリースされる。本作には、これまでに披露してきたお得意のEDMテイストのナンバー以外にも、「イフ・ユー・リーヴ・ミー・ナウ」のようなおセンチ系のナンバーや、ミッドチューン「フィート・ドント・フェイル・ミー・ナウ」など、新境地を開拓している。

 日本盤には、1stアルバムからのヒット曲「ユース」や「レット・ゴー・フォー・トゥナイト」、本作の先行シングル「ボディー・トーク」のライブ・トラックも収録される。キャッチーなポップサウンドや、カジュアルなポップ系女子のファッション含め、流行に敏感な女子には、ぴったりハマる1枚だろう。2016年の全米ブレイクにも、期待したい新星だ。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
『オール・アイ・ニード』
フォクシーズ
2016/02/10 RELEASE
2,376円(tax incl.)