同じく育成大国であるスペインには、左利きのバルサ型サイドバック、高橋センタゴルタ仁胡がいる。2005年8月17日生まれ。アルゼンチン人の父と日本人の母を持ち、13歳でバルセロナの下部組織に加入。フットサル仕込みの技術と高いパスセンスを持ち、ラ・マシアの育成プログラムの中で育んだ戦術眼で、低い位置から積極的にビルドアップに関わりながらタイミングよく左サイドを駆け上がる。

 U-16スペイン代表に招集された経験も持つが、今年5月にはU-19日本代表に飛び級選出され、フランスで行われたモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に出場した。トップ昇格の壁は厚いが、他クラブへの移籍も含めれば、スペインリーグで活躍する姿を見ることができるはずだ。

 日本国内では近年、次々と優秀な人材を輩出している鳥栖アカデミーが生み出した新たな才能、MF福井太智の“世界進出”に期待したい。2004年7月15日生まれ。神奈川県出身で中学から鳥栖の下部組織で腕を磨き、昨年3月のルヴァン杯でクラブ史上最年少の16歳7カ月でトップデビュー。同年、リーグ戦4試合を含む公式戦11試合に出場し、今年3月にはプロ契約を結んだ。

 ピッチ全体を見渡せる視野の広さを持ち、抜群のキープ力から長短織り交ぜたパスを繰り出し、落ち着き払ったプレーが際立つ。本職はボランチだが、左ウイングへのコンバートで突破力が磨かれ、欧州で主流となっているインサイドハーフへの適性度も高めた。鳥栖U-18で主将も務めるなど精神的な逞しさもあり、今後の飛躍を予感させる。

 もう一人、C大阪ユース所属の身長185センチの大型ボランチ、石渡ネルソンも非常に楽しみな逸材として注目したい。2005年5月10日生まれ。中学からC大阪アカデミーに所属し、U-15からU-16、U-18と世代別の日本代表にも選出。ナジイェリア人の父を持ち、長いリーチを生かしたプレーは実にしなやか。自身が目標とするフランス代表MFポグバに通じるスケールの大きさを感じさせる。

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