寒天や水ようかんなどに使う粉寒天の場合、福岡流のかたさ3段階は「しっかり」「やわらか」「とろとろ」。
「『しっかり』は、あんみつなどに使う角切り寒天のかたさ。さっくりと歯切れのいい食感が楽しめます。『やわらか』は、やわらかく、のど越しもよく、それでいて切っても形を保てるかたさ。水ようかんをイメージしてください。そして『とろとろ』は、寒天の質感を残しつつ、すくって口に入れるととろけるやわらかさ。汁菓子のような楽しみ方ができるかたさです」
粉寒天の場合、先ほどの粉ゼラチンのような「ふやかす」工程は必要ない。1袋4グラムで市販されていることが多いことから、福岡さんはその4グラムを基準に「黄金比」をはじき出している。
ポイントは、粉寒天をふり入れる前に、水やジュース、牛乳などの水分をよく冷やしておくこと。4グラムの粉寒天に対し、水分400ミリリットルなら「しっかり」、500ミリリットルなら「やわらか」、600グラムなら「とろとろ」の食感になるという。こちらも100ミリリットル刻みなので覚えやすく、計量しやすく、失敗がない。冷やした状態の水分に粉寒天をふり入れたら、よく混ぜて中火にかけ、完全に煮立つまで加熱する。煮立ったら弱火にし、粉寒天が完全に解けたらグラニュー糖などの甘味を加え、茶こしでこしてから冷やし固めると、なめらかな仕上がりになるという。
これで、夏のデザートは自由自在。好みのかたさを見つけたら、思い思いのアレンジを楽しんでほしい。
(構成/生活・文化編集部 森 香織)