知人の畑で農作業を体験。ヤンネ結ちゃんも収穫のお手伝いに忙しい。畑の向こうには山々が一望できる
知人の畑で農作業を体験。ヤンネ結ちゃんも収穫のお手伝いに忙しい。畑の向こうには山々が一望できる

「朝、子どもを保育園に預けて働いていますが、預けた帰りにちょっと海岸を歩いてリフレッシュできたり、家で仕事をしているときは、ランチ休憩の1時間に夫とバイクで箱根まで往復したり。こういうことができるのはメリットだなと思います」

 休みの日は、一家そろって1日中、外で遊ぶ時間がたっぷりとれるようになったのも大きな変化だ。車で10分の大きな公園や、小田原城近くの広場、それに近くの海岸に遊びに行ける。畑を持っている知り合いのところで農作業をしたりと都内ではなかなかできなかった体験を満喫。地域の人たちとの日常的な関わりも、都内に住んでいたころよりも深くなったと感じている。

「周りの人たちが人なつこい印象があります。東京だと隣に誰が住んでいるかも知らないままでしたけれど、こちらでは道端で会った人と『こんにちは』とか、レストランとか飲み屋さんに行っても、お店の人やお客さんたちと話す機会が多くて、東京と比べると人間らしいというか、コミュニケーションが広がった感じがします。お店もスペースが広いせいか、子どもに優しいところが多くて、子連れがだめなお店は少ないですね」

 生活コストの面では都内とあまり変わらないが、満足度がアップしていることを実感していると望月さんは話す。

「このあたりはどの家も2台は車があるくらい、車は必須です。都内と違って基本タクシーは、呼ばなくては来ませんし。引っ越し前に車は買いましたし、新幹線の交通費もかかります。マンションから一軒家になったので、光熱費も以前より増えていると思います。でも、全体として生活するうえで、費用以上に良さを感じることが多いです」

 例えば、新鮮で豊かな食材を当たり前のように毎日の生活で楽しめるようになった。町にはたくさんの魚屋があり、スーパーでも魚が丸ごと並んでいて、そのおいしさに望月さんはびっくりしたという。小田原で作られた柑橘類や野菜も近くの八百屋や無人の販売所で気軽に買うことができる。パンをよく買う望月さん一家にとっては、市内にいろいろなパン屋があることもうれしい。

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