写真はイメージ
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 もちろん、この追加接種の感染予防効果に関する調査については、予期せぬバイアスが影響している可能性もあるため、更なる調査が必要です。子どもに追加接種を受けさせる家庭は、コロナ対策により関心があり、たとえ軽症であってもPCR検査や抗原検査を受けさせた可能性が高いため、結果として3回目の追加接種者ほどコロナ感染を検出しやすく、追加接種の効果は過小評価されやすいと言えます。

 現在、12才以上を対象に3回目接種が実施されているものの、7月25日時点での12歳から19歳の3回目接種率は33.2%と低いと言わざるを得ません。外来の現場でも、2回目接種から半年以上経過している方が多いようで、理由を伺うと「タイミングを逸した」「仕事が忙しくて、なかなか接種に行けない」「3回目はもう必要ないと思った」といった声が聞こえてきます。

 相馬市の追加接種の効果を参考に、今一度、追加接種を検討していただきたいと思います。

 山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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