この夏は、海や山などへ出かけて、自然の中でゆっくり過ごしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。とはいえアウトドアでは、日常であまり経験しないけがや病気など様々なトラブルが起こり得ます。 アウトドアを安心・安全に楽しむために、起こりやすいトラブルを知り、 必要な知識をしっかり身につけておきましょう。 今回は、いりたに内科クリニック院長の入谷栄一先生に、アウトドアで起こりやすいトラブルとその対策法についてお聞きしました。本記事は、日本メディカルハーブ協会HPの記事を一部改変してお届けします。
【写真】キャンプ場に潜む「フタトゲチマダニ」(※閲覧注意/アップで表示されます)
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■まずはCheck!夏のアウトドアで特に注意したいけがや病気
■アウトドアのトラブルから体を守ろう~対策編~
特に起こりやすいトラブルについて、症状や応急処置、予防法を知っておきましょう。
<熱中症>こまめな水分補給を心がけて
■症状と原因
暑さによって体熱の放散がうまくできなくなるために起こります。熱中症は誰もが注意する必要がありますが、その中でも特に熱中症を起こしやすい年代があります。男性では0~4歳、15~19歳、55~59歳、80歳前後に、女性では0~4歳、80~84歳は特に注意が必要です。
主な症状は、めまい、頻脈、筋肉のけいれん、頭痛、吐き気、体のだるさなどで、重症になると意識障害や高熱などが現れます。重症の場合は命の危険もあるため、一刻も早く医療機関に運んでください。
■応急処置
熱中症が疑われたら、風通しのよい日陰など涼しい場所に運び、衣服をゆるめ休ませます。同時に、うちわであおいだり、保冷剤や冷たいタオルを脇の下、首筋、足のつけ根などに当てたりして体を冷やし、体温を下げます。また、少しずつスポーツ飲料や食塩水を与え、水分と電解質を補給します。回復しても容態が急変することがあるので、体調の変化に注意してください。
■予防法
高温多湿で風が弱い日、日射しが強い日には活動をできるだけ控えましょう。炎天下では帽子を使用し、適宜日陰に入って休憩をとりましょう。塩分と水分をこまめに補給することも重要です。