「新庄監督は現場で初めて采配を振るって、シビアな勝負の世界を肌で感じていると思います。就任前から個性的なキャラクターで球界の話題を独占し、『きつねダンス』も話題になりましたが、札幌ドームは空席が目立ち盛り上がっているとは言えない。個々の選手は成長していますが、勝たなければファンが戻ってこないことを痛感したでしょう。正直、今の戦力では来年もAクラスに入ることすら厳しい。資金面の問題があると思いますが、育成だけでなく大型補強に乗り出さなければ勝てないし、チームの人気も復活しないと感じたのではないか。ただ、戦力補強は球団の方針もあるので簡単に決められる問題ではない。球団フロントと来季に向けて強化策を話し合った上で、同じベクトルを向いていると判断したら続投を決断するのではないでしょうか。もし、折り合わなければ我慢して監督にしがみつくタイプではない。電撃退任の可能性もゼロではないと思います」(スポーツ紙デスク)

 チームは一朝一夕に強くなるものではない。リーグ連覇が見えてきたヤクルトだが、高津監督が就任初年度の2020年は、41勝69敗10分で最下位だった。ヤクルトの場合は同年オフにFA権を保有して動向が注目された山田哲人、小川泰弘、石山泰稚と主力選手たちを大型契約で残留に成功したことが、大きな分岐点になった。

 日本ハムのチーム再建は始まったばかりだ。新庄監督の来季続投、オフの戦力補強を含め、球団フロントの手腕が問われる。(梅宮昌宗)

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