※写真はイメージ(Gettyimages)
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 誰にでもある人生の後半戦。だからこそ、前向きに人生の“第二幕”を切り開いて愉しんでほしい。新聞雑誌で活躍する美容ジャーナリスト齋藤薫さんがそんな願いを込めて書いた、心とたたずまいをアンチエイジングするエッセー『“一生美人”力 セカンドステージ――63の気づき』から、珠玉の一遍を、抜粋でお届けします!

【美容ジャーナリストの齋藤薫さんはこちら】

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■“本当の友達”さえいれば、人生は何とかなる――。そこに気づく日が、セカンドステージの始まり

 友達は別に多くなくていい。本当に信頼できる友達がほんの数人いれば……。そう考える人が増えている一方で、SNSは無限大に友達の輪を広げつつある。200人300人の友達がいる人などはザラにいる。だから改めて、友達って何なのか? その再定義が必要になってきた気がするのだ。

 実際に今、友達を増やそうと思えばいくらでも増えていく時代。逆に言うと、“顔見知り”や“知人”という段階を経ることなく、知らない人と、いきなり“友達”になってしまえる時代。「友達申請」がどんどん友達を増やしてくれることが良いのか悪いのかは別にして、“孤独感”から逃れることなど、いとも簡単な時代になったのは間違いないのだ。

 少なくとも、パソコンやスマホの画面を見ている限り、人は孤独を感じないような仕組みが出来上がった。これ自体は、確かにこれからの時代、一つの救いになるのかもしれない。核家族化はもちろん、人と人との関わりがますます希薄になっていくのは間違いないから、そういう場合の、何となくの心の支えになってはくれる。

 でも一方に、こうした“SNS上の友達付き合い”に、何だか疲れてきている人が少なくない。あまりにも友達が多すぎて。あまりにもどうでもいいことの、頻繁(ひんぱん)なやりとりに。

 まずは言うまでもなく、“既読(きどく)”問題が常に人を追い立てる。「ごめんごめん、外出してて連絡できなくて」も恋人同士の「ごめんごめん、忙しくて連絡できなかった」も、もう通じない。いずれにせよ、良くも悪くもごまかしがきかなくなった“SNS上の友達付き合い”を億劫(おっくう)に感じ、改めてアナログな環境を懐かしむ人が増えているのだ。

 さあ、友達とは何だろう。一つに、そうした億劫をお互い感じさせない関係性を、そして、既読スルーが問題視されない関係性を指すのは確か。

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本当の意味で友達とは何か?